2024/2/18：かながわ蔵元めぐり～中沢酒造編～

◆神奈川県内にある13の蔵元をめぐるシリーズ第5弾！
今回は新松田駅からほど近い場所に位置する「中沢酒造」を訪ねました。

出迎えてくれたのは11代目、専務の鍵和田亮あきらさん。
蔵について教えていただきました。
蔵元の鍵和田家は、源頼朝陣営の和田義盛の家来でした。
源平合戦の果てに鎌倉幕府に追われ、逃れてきたのがこの松田の地だと言われて
います。
和田一族の倉庫番を担い、和田家の鍵を預かる家来として「鍵」和田を名乗ったと
伝わっているんだそう。
そして江戸時代に小田原藩主である大久保家から許可を得て、酒造りを始めました。
その記録が残るのが文政8年（1825年）。
江戸時代の末期にあたります。
創業からまもなく200年を迎えるという歴史ある酒蔵です。
そしてメインブランドは「松みどり」。

杜氏でもある亮さんに酒蔵内をご案内いただきました。
外から見えた白い煙はコメを蒸している湯気でした。
酒造り期間中ほぼ毎日、早朝からこの「蒸米」作業が行われています。
日本酒の唯一の原料である「コメ」。
蔵人によってしっかり洗米され、一粒も無駄にすることなく、丁寧に蒸し上げられて
いました。

蒸されたコメは放冷（自然に冷やす）します。
蔵人に混ざり作業を体験するのさっち。
ふと隣を見るとなんだか見覚えのある顔が...
蔵人に扮したちゃーはんでした。
本日蒸されたコメは仕込み（醪もろみ造り）に使われるとのこと。
酒の仕込みは、タンクに酒母しゅぼ、蒸したコメ、水を入れることからスタート。
その後、「麹・コメ・水」を4日間・3回に分けて投入。
その工程を「三段仕込み」と言い、今日はその最終段階「留とめ仕込み」（留添とめぞえ）の日
でした。
蔵人は毎日、タンク内の状態を確認。
櫂入れをしたり、こまめな温度管理などを行いながら、発酵の状況に応じた作業を
行っています。
櫂入れ作業体験を通じてその大変さを痛感したほか、貴重な「酒粕はがし」もやらせて
いただきました。

隣接する直売所も見学。
常時15種類前後の日本酒を販売しているほか、試飲用の自販機も設置されています。
気軽に飲みくらべができます。
さらに自社商品だけでなく地元のツマミなども販売。
訪れるだけでワクワクするようなラインナップです。

今回は特徴ある3種類の日本酒を飲ませていただきました。

• 「亮」...亮さんが発見した河津桜の酵母＆県産酒米「若水（わかみず）」を使った
  オール神奈川産の純米吟醸
• 「松みどり」...蔵のメインブランドである純米酒
• 「S.tokyoエス・トーキョー」...現存する中で二番目に古い100年以上前の清酒酵母を使い、
  亮さんが復活させた純米吟醸

どれも味わい深く、丁寧に仕込まれた日本酒の奥深さを感じるものでした。

そしてちゃーはんは亮さんのお母さんに「酒粕」を使った、酒蔵ならではの料理を
教わりました。
蔵の銘酒とともに鍵和田家の味を堪能しました。

親子孫三代が東京農業大学卒業の蔵元のお酒。
特に醸造を学んだ亮さんの研究は、100年以上前の酵母を使った酒造りや、地元に
由来する「河津桜の酵母」の発見、新商品作りへと発展しています。
9代目・会長の金吾さん、10代目・社長の茂さんが繋ぎ支えた伝統に、
11代目・亮さん新しい風を吹き込みました。
そしてそのバトンは、12代目へと引き継がれていきます。

◇中沢酒造
　HP：https://www.matsumidori.jp/

◇まつだ桜まつり
　開催日時：令和6年2月3日～3月3日 9:00～16:00
　会場：西平畑公園（足柄上郡松田町松田惣領2951）
　入園料：大人（18歳以上）300円 / 小人（6歳以上18歳未満）100円
　※障害者手帳をお持ちの方、町民は無料
　HP：https://town.matsuda.kanagawa.jp/site/matsudasakura25/
　※上記のまつり期間中、蔵の直売所では甘酒が振る舞われています

◇神奈川県酒造組合
　神奈川県内にある13蔵の日本酒が揃っています。
　HP：http://www.kanagawa-jizake.or.jp/

企画：JAグループ神奈川
協力：JAかながわ西湘 
神奈川県酒造組合
松田町観光経済課