2024/10/27:森林 づくり・木づくり・人づくり
「神奈川の森林・林業・木」についてリサーチしました。
◆神奈川県森林組合連合会
"森林の協同組合"である「神奈川県森林組合連合会」は、"農業の協同組合"である
「JA」と協同組合の仲間。
県内に10ある森林組合=森林を守り育てる組織を会員としており
*森づくり=森林整備(木の適正な密度管理)
*木づくり=次世代に残す「木」の植林
*人づくり=山で働く人の育成 などを行っている組織です。
神奈川県の「木」について詳しい同組織の案内でリサーチ開始!
「木」について学ぶなら、まずは現地へ。
ということで、担当の工藤さんに山へご案内いただきました。
◆間伐作業をリサーチ
車を走らせることおよそ30分。
関係者以外立ち入り禁止の看板のその先に、目指す場所はありました。
「間伐作業中」の看板の奥には巨大なトラック。
さらにその奥では、急斜面の山で伐採した木にワイヤーを引っ掛ける人の姿が。
複数人でチームワーク良く、山から木を伐り出している姿を見ることができました。
「休憩しよう!」―――そう声をかけた作業員はどこか見慣れた人物。
作業のお手伝いをしていたちゃーはんでした。
りゅうちゃんとちゃーはん、改めて二人でリサーチ開始。
作業を請け負う皆さんにお話を伺いました。
林業の難しさとともに魅力を体感している皆さん。
開放的な場所で、精神的なストレスを受けずに仕事ができる素晴らしい仕事だと
教えてくれました。
そして何より大切なのが「コミュニケーション」。
山の仕事は命懸け。
だからこそ、日頃からのつながりが重要なんですね。
◆県内唯一の「原木の市場」
伐った木は「原木の市場」に運ばれるとのこと。
3人は市場へ向かいました。
到着したのはなんと、りゅうちゃんが朝お邪魔した「神奈川県森林組合連合会」。
実はこの場所こそが神奈川県で唯一の「原木の市場」だったんです。
危険区域になるためヘルメットを着用し、市場の中を見学させていただきました。
集まってきた原木は県内で伐採されたもの。
神奈川県の場合は間伐材が多いんだそう。
原木の市場はミカンでいう「選果場」。
購入者(木材店など)が見やすいように、木の種類などごとに仕分け、選別されます。
そして直径を計り、立っていたときに木の「上」だった方の面に数字を書き込みます。
木の取引は体積で行われます。
直径×直径×高さで求められた木の体積を1㎥(1m×1m×1m)いくらで購入したいか
を入札し、売買されます。
◆「原木の入札」を体験
原木価格にも目安が存在します。
木の種類、長さ、直径、そして根元の方なのか、何に使うのか、などが基準
になります。
それらを分かりやすくしたものが「木材市況」。
今回は市況を手掛かりに、主に梁などに用いられる「4mヒノキ・丸太2本」を
入札体験。
それぞれが希望する入札価格を記入しました。
およそ60年かけて育て、命がけで伐採した「原木」。
実際の落札価格は予想以上に安価で驚く二人。
でも、もしも自分が家を建てるんだとしたら・・・
木材は人間の技術で加工され価値を上げていきます。
高すぎる相場はデメリットも生み出します。
生産者と購入者。
両者にとってバランス良い価格で売買するためにも、原木市場はあるのでした。
◆オガ粉の活用=一次産業が生み出す循環
同所に併設されている木材の加工所では、木を削るときに生じる副産物「オガ粉」が
販売されています。
購入に来ていた人物に出会い、追いかけました。
お邪魔したのは平塚市内の住宅街にある会員制の乗馬クラブ。
購入したオガ粉は馬の敷き材として活用されていました。
通常使われる「ワラ」と違い、馬が食べたりもせず、作業効率も良いとのこと。
そして何より、使用後には農業に活用できる・・・
ちゃーはんはオガ粉の交換作業をお手伝い。
ワラに比べ、作業負担は大幅に軽減されています。
いつもお手伝いをしている子どもたちと一緒に楽しく作業。
ヒノキのオガ粉による消臭効果も体感しました。
人生初の乗馬体験をしたりゅうちゃん。
馬の大きさ、繊細さ、従順さとともに、林業や農業が人間に与えてくれている恩恵
について改めて感じ、考えました。
馬の排泄物を含んだオガ粉は発酵すると「馬糞堆肥」になります。
近隣の農家さんに堆肥として提供され、土を柔らかくし、おいしい野菜を育てる。
一次産業である「林業」と「農業」が連携して大きな好循環を叶えていました。
馬のストレス軽減、近隣住民へのニオイ対策、そして農家さんへの堆肥提供と
自然環境への配慮。
「オガ粉」の活用は、さまざまな人々に「よかった」を提供していました。
森に携わる人々は
私たちは「森林」のおかげでさまざまな自然災害から守られ、
綺麗で豊かな水をいただき、豊かな生活を送ることができていると話します。
そして林業とは「木」を"伐って→使って→植えて→育てる"を50年~100年という
なが~いサイクルで繰り返している産業。
「木」がもたらす恩恵に思いを馳せた1日でした。
◇神奈川県森林組合連合会
HP:http://www.kenmoriren.jp
企画:JAグループ神奈川