2025/12/21:三浦ダイコン物語






ブランド化されて今年で100周年。
神奈川県・三浦半島原産の「三浦ダイコン」をリサーチしました。
◆三浦市農協・本店へ
自身も三浦ダイコンを作っていたという、三浦市農協・加藤組合長にお話を伺いました。
とにかくデリケートで作りづらく、畑や土地を選ぶ特別なダイコンとのこと。
現在の高円坊地区が発祥の地との情報を得て、畑を訪れます。
◆高円坊の三浦ダイコン生産者
ダイコンやキャベツなど、三浦を代表する農産物を栽培する清水さんに出会いました。
1箇所の畑で三浦ダイコンと青首ダイコンを作っています。
それぞれ収穫させていただき、丸かじり。
見た目、収穫、味の違いを体感しました。
比べてみると一目瞭然。
首が青く、まっすぐでスラっとした青首。
首が白く、中ぶくれで一回り大きな三浦。
その形から収穫もしにくく、割れやすいなどの特徴もあるため、生産者も減少。
今では三浦市で栽培される大根の1%に満たない、希少な大根なんです。
そして古くからお正月のお煮しめ、なます、お雑煮用として使われることが多く、市場側
も年末需要に合わせて販売します。
そのため市場には12月25~27日しか出荷されない、期間限定の特別な野菜です。
(三浦市内の農家直売所などでは2月上旬くらいまで販売しています)
◇三浦市農協オンラインショップ
HP:https://miuradaikon.com/
◇JAタウン
HP:https://www.ja-town.com/shop/g/g3601-360-miu-v-004/
実はお父さんの代では作っていなかった三浦ダイコン。
栽培を復活させた理由は、収益性もさることながら「地域の伝統野菜を繋げていきたい」
という思いから。
地域愛だけでなく地元のつながりを大事にしている清水さんは「高清会」という出荷グループのリーダー。
グループのキャベツは大手食品メーカーである「石井食品」に出荷し、商品化されています。
◇石井食品(株)HP
HP:https://shop.directishii.net/shop/default.aspx
※清水さんの作るキャベツは今年もこちらの商品に使われます。
HP:https://cp.directishii.net/miura
◆三浦ダイコンとは
三浦半島では江戸時代初期1674年の時点でダイコン栽培の記録が残されています。
三浦半島が古くからダイコン栽培に適していた土地であることが伺えます。
栽培されていたのは高圓坊。
現在の高円坊地区だと言われています。
形が細長く、根の形がネズミのしっぽに似ていたことから「鼠大根」と言われていましたが、
やがて産地名にちなんで「高円坊大根」と呼ばれるようになりました。
明治期には「練馬系大根」を取り入れ改良が重ねられました。
そして1925年(大正14年)に正式に「三浦大根」と名付けられ、地域に愛され今日まで
作り続けられてきました。
◆季節外れの台風がもたらした転換期
1979年10月、季節外れの大型台風20号が三浦半島に。
海水を巻き上げた強風が畑を襲い、三浦ダイコンのタネ蒔きを終えていた畑は、壊滅的な
ダメージを受けました。
被害総額は約8億円にものぼったと言われています。
当時は各農家で自家採種したタネを蒔いていた時代。
被害が甚大だったため、蒔き直すにしても農家にあるタネの在庫も足りず、時期が遅すぎる
ため生育が心配されました。
三浦の農家さんたちにとって、大根が栽培できないことは死活問題です。
そんな時種苗会社に勧められたのが、三浦では当時あまり作られていなかった「耐病総太り」
という名の青首ダイコンです。
タネは順調に育ち、市場出荷することができた青首ダイコン。
予想を上回る結果に驚いた生産者ですが、作りやすく収穫しやすいこと、そして高値で取引
できた実績は、その後生産を青首に切り替えるのに十分な出来事でした。
◆「三浦ダイコン」から「青首ダイコン」へ
折しも女性の社会進出、共働き、核家族化と社会が大きく変化した時代。
大型の三浦ダイコンの消費は減少傾向でした。
生産者と消費者のニーズが一致した結果、たった数年のうちに青首に首位の座を明け渡し
たのでした。
◆神奈川県農業技術センター・三浦半島地区事務所
三浦ダイコンの研究について知るため、三浦半島の野菜研究施設を訪問。
見覚えのある方に出会いました。
以前かながわ農業アカデミーで色々と教えていただいた室井先生です。
今ではこちらで三浦の野菜の研究を担当しているとのこと。
研究圃場に案内してもらうと・・・職員に扮したちゃーはんに遭遇。
久しぶりの3ショットです。
改めてお話を伺いました。
昭和40年代。
市場競争が激しくなるにつれ、ダイコンにも「品質の高さ」と「形の統一」が求められる
ようになりました。
そこで数ある在来種のタネから、優れた特徴を持つ4つの系統が選抜されました。
この時選ばれた系統は 現在も農業技術センターで大切に保管されており、タネを正しく
保存する為 数年おきに栽培。
今年はその中のひとつ「石井系」が栽培されていました。
三浦ダイコンの原種を収穫させていただく二人。
力持ちのちゃーはん、数々の野菜を収穫してきたりゅうちゃんですが、二人とも抜くこと
ができませんでした。
当時の農家さんの苦労を体感しました。
◆三浦市農協の役割
白さと独特の味を持つ三浦ダイコンには、ファンも多数います。
そして、伝統を守り続けてきた生産者も。
そんな生産者に寄り添ってきたのが三浦市農協。
時代に合わせた三浦ダイコンを作るため、品種改良を続けてきました。
センターにも保管されている選抜された4つの原種。
これらを親として、改良を重ね、生まれたのが、のちに主流となる品種「
一人の農協職員が生み出したオリジナル品種です。
さらに「もっと首を強くしてほしい」などの要望を受け、改良を重ねたものが、現在主流
になっている「
原種に比べて、驚くほど抜きやすく、小ぶりになりました。
「三浦大根100年の歴史」は、タネを守り続けた人と、ダイコンの作り手、そして作り手
に寄り添った農協職員の思いによるものでした・・・。








◆未来につなげたい、農家直伝レシピ
三浦の農家さんに嫁いだ吉田
◇「三浦大根と私の台所」著/吉田和子
HP:https://forumstore.jp/products/bookty?srsltid=AfmBOoqZWIkqWEh_yEJMUPqqIlCYCJ_FUGK8hU-CwTfLwzBENJOWEz1_
自身の半生のほか、三浦ダイコン愛がたっぷり詰まった書籍です。
掲載されているレシピで三浦ダイコン料理を作り、みんなでいただきました。
三浦ダイコンという伝統野菜を後世にも残したいと話す清水さん。
さまざまな場面で三浦ダイコンをPRしています。
地域を大切にする企業とのコラボ商品も試食しました!
◇石井食品
HP:https://www.ishiifood.co.jp/news/p9300/


























企画:三浦市農協
協力:石井食品、吉田
「もっと²知って!食べよう!地場野菜 ~平塚・伊勢原~」(再放送 12/29(月))
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