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事件記者チャボ!

事件記者チャボ!

事件記者チャボ!

放送時間

毎週月曜 20:00~20:55

番組内容

舞台は東京。東和日報社会部。いわゆる事件記者のたまり場です。そしてそこには四六時中、現代を象徴する事件のニュースがもたらされています。
そんな中へ瀬戸内海沿いの小さな町の通信員が転勤してきたのですから大変です。
田舎町でのんびりときわめてローカル色豊かな記事を送り続けてきた一太は、30歳にしていきなりこの大都会に放り込まれたのです。
都会暮らしに慣れた者には当然の出来事も、一太の目には常に新鮮な驚きを伴って映ります。そんな彼の奮戦記でもあります。
一太は打ち上げ花火のように華やかな一過性の事件よりも、空中で砕けて草むらに散った花火玉のかけらの行方を追うことに熱中するのです。そこには悲惨な生活や悲喜こもごもの人生があります。
しかし主演、水谷豊のコミカルな演技でハッピーに描きます。暗い素材でもあくまで面白いものにします。
女性記者、一之江ツルは東京生まれで気丈な反面涙もろく、実によく気の付く女性。いつしか一太と恋が芽生えます。

各話紹介
  • 第1回
  • 第2回
  • 第3回
  • 第4回
  • 第5回
  • 第6回
  • 第7回
  • 第8回
  • 第9回
  • 第10回
  • 第11回
  • 第12回
  • 第13回
  • 第14回
  • 第15回
  • 第16回
  • 第17回
  • 第18回
  • 第19回
  • 第20回
  • 第21回
  • 第23回
  • 第24回
  • 第25回
  • 第26回
第一回:チャボが、大騒ぎでやってきた…
瀬戸内海に面したのどかな田舎でローカル色豊かなのんびりした記事を送りつづけてきた東和日報の地方記者・中山一太は、亡父の大学柔道部時代の後輩で警視庁記者クラブのデスク・鬼丸剛に呼ばれてあこがれの東京に勤務することになった。
まもなく拳銃密輸犯の山本の情婦・浦桐益代からタレ込みがあり一太が取材に向った。益代が一太に喋っている所へ男が帰って来た。一太はベランダを伝って隣の部屋へ。ひょっと中を見ると4歳位の子供新一が倒れていた。一太は救急車を呼び鬼丸の家へ帰った。新一は両親が離婚し、父親と一緒に住んでいたが、父親が仕事で10日間不在だったために空腹で倒れていたのだ。
一太は翌日、児童相談所に新一を訪ねた。社に戻ってくると新一の父親が溺死体として発見されたという知らせが入った。一太は新一のためにも母親を探そうとあちこち調べ、新宿のキャバレーで働いていることをつきとめた。新一の母親・昌子はもう関係ないことだと…。
第二回:火事とチャボとタレコミ屋…
暴力団の会長襲撃事件の犯人が割れて記者会見があった。容疑者は暴力団笠原組々員・三上栄治と判明。警察と親分の仇を討とうとする暴力団のどちらが先に三上を発見するか、無責任な予想が立てられるほど、事件は注目を浴びた。その夜、当直で東和日報の記者クラブに泊り込んだ一太のところへ、三上の居所を知っているという男からの電話が入った。
一太はすぐ鬼丸に連絡、鬼丸は一太だけでは心もとないので、松岡をつけた。二人は密告をしてきた及川とその娘・直美に会った。及川は三上が唐獅子のイレズミをしているとか、組長殺しは先代の組長の仇討ちだったとか、去年離婚した女房・節子とはいまも通じており偽装離婚だった…など誰もが知らないことを知っており、一太は、情報は間違いないと判断。鬼丸も大スクープと大喜び。一太は及川と再び会い、三上が隠れひそんでいるという団地に向ったが、その場所は全くデタラメ。及川は詐欺師だったのだ。東和日報だけでなく、他社も及川のガセネタに数万円払っていた。
しかし、鬼丸は社会部長に報告し、輪転機をとめて大スクープを入れるつもりだったので激怒。同僚の一之江ツルまでが一太にあきれかえるが、考えてみれば及川も全部ウソを言っているわけではないと思った。一太にそのことを話し、節子と子供も危害が及ぶのを心配して離婚したぐらいなら、絶対三上は節子に連絡をとると判断し、張り込みをすることにした。
数日後、節子が弁当三つ持って息子の一郎と外出。刑事部長・平塚六三も同じことを考えていたらしく節子を尾行。節子はそれには気付かず一郎を連れて遊園地へ、一太は節子がホールヘ入っていくのを見つけ、ツルと一緒に中へ、思った通り、そこにやつれ果てた三上の姿があった。それを見た一太は、かけつけた刑事たちに少しの間だけでも親子三人水入らずの時を与えたいと刑事たちの前にたちはだかった…。
第三回:その時チャボはラブホテル…
一太は夜の新宿をテーマにした囲み記事“若者24時”の取材をすることになった。だがろくな記事も書けず、鬼丸に怒鳴られて必死の面持ちで再び新宿へ。ゲームセンターで遊んでいる少女・由美子に会い、話をしているうちにラブホテルヘ。一太は取材のつもりだが、由美子は服を脱ぎだし大あわて。
ところが隣室でホテトル嬢殺人事件が発生。一太は事情聴取をされるとまずいと思い由美子とホテルを脱出、そのまま由美子の友達がいるアパートにくっついて行った。そして、何とか“若者24時”の取材をしようと懸命になるが相手にされない。翌朝、一太は新聞を読み被害者が由美子とほぼ同じ年齢の中学生と知り、由美子たちが話していた真弓ではないかと考えた。一方、鬼丸はツルから、事件のあったラブホテルから逃走したアベックが重要参考人として警察に追われていることや、その男の方が一太にそっくりと聞かされ、全員に一太を捜せと命令。
そのころ、一太は由美子に会い真弓のことを再確認し、被害者だと確信した。記者クラブに帰ると、鬼丸から大目玉。そして、平塚警部が若いチンピラ風の男を追っていると聞き、ホテルから逃げて行ったアパートにいた前島という中学生のことが頭に浮んだ……。
第四回:絶体絶命!チャボの大脱走…
一太が新宿三丁目で撮った地震の防災キャンペーンの写真を見て、箱根から小谷良江という女性が訪ねてきた。何でも写真に写っている見物客の中に家出中の夫・小谷圭三がいるという。圭三は養子で、旅館を改築しようとした時ブローカーにだまされ、先祖代々の骨董品を売り払って家出してしまったというのだ。一太は良江と共に新宿を捜したが、手掛りがつかめず良江は帰省。代って一太が仕事そっちのけで圭三の行方を探った。
そして新宿のドヤ街で圭三を発見、事情を話し帰るよう説得したが圭三は拒絶。その矢先、銀行強盗事件が発生、4千万円が奪われた。主犯格の有吉猛はすぐ逮捕されたが、共犯者の方は行方がつかめなかった。手がかりは銀行内のビデオだけだった。それを見た一太はびっくり。何とあの圭三ではないか。一太はキャップの鬼丸に話そうとするが、鬼丸は一太の話などに耳をかすヒマがない。
そこへ、良江から圭三を小田原で見かけたという人が現われたと電話が入った。一太はすぐ小田原へ飛んだ。少しして、平塚警部が―太を訪ねて記者クラブヘ。平塚は圭三が犯行の一時間前に一太と接触している事実をつかんでいた。驚いた鬼丸はツルに箱根へ飛べと命令。そのころ、一太はやっとのことで圭三を捜し出し自首するように説得したが……。
第五回:チャボが愛した狼少年…
一太はラブホテルのデート嬢殺人事件の取材の帰り道、近く取り壊される予定の二階建てアパートで人影を発見。めぐみと恐る恐る中へ入っていくと孝と守の10歳ぐらいの兄弟がいた。二人が何を聞いても孝兄弟は何も喋らす、両親もいないことからとりあえず警察に預けた。
しかし、一太は孝兄弟のことが気になって仕方がなく、仕事そっちのけで警察へ。警察の話では、母親は一年前に家出、それが原因で父親は酒に溺れ孝たちに当たり、二人は家を出てボロアパートに住みついたということだった。そこへ父親の高沢がやってきて、子供たちを施設へ入れてくれと頼んだ。くどくどとグチを言う高沢を見た一太はカッと頭にきて、孝たちを責任を持って面倒見ると宣言。一太は翌日、二人を預けてある児童相談所へ。一晩考えた末、やはり親子で一緒に暮らすのが一番いいと結論を出したが、孝たちは何かといえばすぐ殴る父親と住みたくないという。両親の愛情に飢えている孝たちを、一太はツルと一緒に食事に連れて行った。
その時、一太が広げた新聞に載っていた写真を見て、守が「ママ」とつぶやいた。その写真は、先日のラプホテル殺人事件のデート嬢だった。高沢が警察に来て身元を確認。その夜、一太とツルは高沢のアパートで孝たちにスキ焼きを作ってやったが、そこへ泥酔して帰ってきた高沢が、孝たちの母親はもう死んだと叫び、ひどいことになった。一太は孝たちを外へ連れ出し、二人に母親が死んだことをわかりやすく説明してやったが……
第六回:チャボVS怪盗下りぐも…
“怪盗下りぐも”が白金のマンションに現われ、現金70万円を盗んで逃走。これが36件目の犯行で、警視庁の平塚警部は、職を懸けて犯人逮捕を急ぐと発表。平塚が職を懸けるといった時は、逮捕間近か、というのが記者クラブでの評価なのだが、今度ばかりは難しそうに見えた。一太は警察の発表を待っていたのでは、逮捕の現場を写真に撮れないとか、特ダネは無理だとか言って外へ飛び出して行った。そこで財布を拾い、持ち主・三木安子の家に返しに行った。安子の夫は大学の助教授らしく優雅な暮しをしていた。ところが、一太が三木夫婦と話し込んでいると、何と平塚がやってきた。三木こそ“怪盗下りぐも”だったのだ。
三木はマンションの五階からロープを下し逃げようとしたが、一太が逃がすまいとロープをつたって追おうとして、危うく転落しそうになった。これがケガの功名で、心優しい三木は逃げるのをやめて一太を助け、部屋に入ってきた平塚に逮捕されてしまった。ところが、鬼丸はカンカン。犯人逮捕の現場写真を撮ると、大きな口をたたいた一太が、その現場にいながら犯人に助けられ、写真一枚も撮っていなかったのだ。
一方、安子は助教授だとばかり思っていた三木が、盗人と知ってショックで離婚を決意。結局、一太が離婚届を持って三木に面会に行く羽目になった。ところが、三木は35件の犯行を認めたが、そのうちの一件、下着と五万円を盗んだ件は自分の犯行ではないと言い張った。警察は証拠もあると認めず、三木は渋々認めたが、一太に盗みの美学に反することはしていないと告白。この一件の犯罪が無実であっても罪の量刑には関係なかったが、一太は三木の言葉を信じ、下着ドロの件の無実を証明しようと調べ始めた。
第七回:チャボが結婚詐欺!?冗談でしょう…
一太が突然、南新宿署に結婚詐欺の容疑でひっぱられた。しかし、被害者の証言で、犯人は一太の名を騙ったニセ者と判明し、とりあえず釈放された。しばらくして、犯人は一太の高校時代の同級生・橋爪圭介と判明。しかも、圭介にはつい最近5万円貸したばかり。一太は圭介の姉で昔から密かに想いを寄せていた夕起子もいる松山へ飛ぶことになった。
一太は支局に寄り夕起子の近況を聞くと、一太が上京した直後に離婚し、道後温泉で芸者をやっていることが判明。道後温泉にかけつけてみると、果して夕起子は芸者をしていた。夕起子は、圭介から連絡はないという。夕起子と圭介は天涯孤独の姉弟で、圭介は姉に迷惑をかけっ放しで、それが原因で夕起子は離婚したのだ。
取材を続けていると、夕起子から、圭介から連絡が入ったという知らせが入った。急いでかけつけてみると圭介がいた。圭介は一太の顔を見ると逃げようとした。追いかけようとする一太に夕起子がしがみつき、見逃してやってくれと哀願したが……。
第八回:チャボがトナカイでやって来た
子供から「サンタクロースはいますか」との投書に社会部の連中が頭を抱えているところに、葛飾の養護施設の子供、岸ひろみ、国夫の姉弟が訪ねてきた。姉弟は毎年クリスマスプレゼントを贈ってくれるサンタクロースにお礼を言いに来たというのだ。差出人は黒須三太と記しているが、住所や品物を包んだ新聞紙から東和日報の人だと思ってやってきたらしい。
デスクの鬼丸はこの美談に飛びつき、一太にサンタクロースを捜し出し、今日中に記事にしろと命令した。一太が養護施設へ行ってみると、例のサンタクロースは例年ひろみ・国夫姉弟にプレゼントをしていたが、今年から施設の園児全員にプレゼントをしていたことがわかった。さらにひろみ姉弟は6年前、横領事件の犯人と疑われた父親が一家心中をはかり、偶然生き残ったこともわかった。3か月後に真犯人で父親の同僚・滝沢が逮捕された。一太は2年前に出所した滝沢が罪の償いにプレゼントをしているのかとあたったが、滝沢は横領した金の返済に追われており、それどころではなかった。そんな時、板西が愛人バンクに登録しているらしいと妻の昭子が社にやってきて、同僚の松岡に執拗に聞いていた。一方、一太はサンタクロースに6年前の事件がからんでいると警視庁の平塚に聞くと、意外なことにひろみ姉弟の父親を犯人扱いした記事を書いたのが東和日報で、父親は遺書に東和日報へのウラミツラミを書き残していることがわかった。一太はすぐクラブに戻り鬼丸に問いただした。鬼丸は、記事はボツだといったが、一太はひろみたちにサンタクロースを捜し出すと約束したとひきさがらない。鬼丸は仕方なく当時の記者クラブキャッブ・河辺長太郎の家を教えたが、本人は完全に痴呆症状で、何を聞いても無駄だった。
そこへ、昭子に浮気をとっちめられ散々なめにあった板西が、河辺の娘・マリ子を訪ねてきた。一太はこの偶然の顔合せにびっくり。マリ子からサンタクロースは板西で、マリ子が手伝いをしていたと聞かされた。板西は社の誤報記事を知り、ひろみ姉弟に毎年プレゼントをしていたが、他紙でそのことが取り上げられ、他の園児がぼくたちにはプレゼントがないと寂しがっていると書いてあったので、今年から全員にプレゼントをしたのだと語った。偶然その費用をマリ子に渡しているのを松岡が目撃。松岡は愛人バンクを取材中で、たまたま取材していた女子大生がマリ子の友人だったので、マリ子を愛人バンクの女と勘違いしたというわけだった。
第九回:おかしな、おかしなチャボの初夢…
一月二日、一太やツルが鬼丸家で年始の挨拶していると、フジが突然鬼丸に見合い写真を出してきた。鬼丸は5年前に妻・道子を亡くし一人暮し。その間浮いた話もなく、母親フジも心配でならない。ところが、鬼丸には意中の人がいた。階段から落ちケガをした鬼丸は、一太に意中の人・落合道子を家に連れてきて欲しいと頼んだ。何でも占いに見てもらったら、一月二日に家族に紹介すると、うまくいくと出ていたらしいのだ。一太が道子を連れてくる間に、鬼丸がフジに話す段取りになっていたが、切り出すのをためらっている間に、一太が道子を連れてきてしまった。
ところが、フジが道子を一太の恋人と勘違いしてしまった。結局、鬼丸は何も言えず、一太は鬼丸家に道子を紹介した形になってしまった。一方、道子も鬼丸から何も知らされておらず、結婚の意思があるなんて初耳という始末。一太は鬼丸の気持を道子に伝えたが、その夜、当の鬼丸までが一太に、自分の恋人みたいに紹介して、と怒るので立つ瀬がない。そして、道子の一太の恋人説は一人歩きして困惑。
そんな人の良い一太に、今度は道子の離婚した亭主が、刑務所から出所して訪ねてきたので、一太を娘・アキの父親だということにし、近く再婚するつもりだと追い返したというのだった。そこへ、道子の元亭主が怒鳴り込んできた……。
第十回:チャボに恋したイジワル婆ちゃん…
一太は、原稿を取りに行ったが道がわからず交番で聞いていると、老婆・畑中トラが、強盗だ!と言ってかけ込んできた。ところが、交番の巡査は冷たく相手にしようとせず、一太は腹を立てる。一太が食ってかかると警官はトラの強盗騒ぎは狂言で、これが5度目だとはき捨てるように言った。記者クラブヘ戻ってその話をすると、以前にツルもトラの狂言にだまされたと言い出した。
そんな時、松岡が1000万円拾ったといって帰ってきた。数日経っても持ち主が現われず、松岡は一緒に見つけたタクシー運転手と山分けだと喜色満面。鬼丸らは松岡にこっそり借金を申し込む始末。一方、ツルの母親・貴子は、自分の誕生パ一ティを派手にやりたいと言ってツルと対立、怒って家出をしてしまった。その矢先、トラが再び強盗に入られたと警察にやってきたが相手にされず、一太を頼って記者クラブヘ来た。誰もが全く信用しないが、一太だけはトラの話を半信半疑ながら信じて警察に話をしてやった。そうして、トラに息子たちにも連絡したらと言うと、トラは息子たちは嫌いだという。どう見ても強がりとしか思えないので、一太は息子たちの家を回って面倒を見てやって欲しいと頼み込むが、良い返事がもらえない。
そんな一太にツルもあきれ顔で、相手をしない方がいいと諭すが、一太は今度は信用できると、一歩もひかず強盗事件を一人で調べる。そのトラが一太に、盗まれたのは指輪だけではなく、所沢の評価額2000万円の土地の権利書も盗まれたのだとうちあけた。それを聞いた息子たちは急に態度を変え、トラの世話をするとアパ一トヘやってきた。一太は役所へ調べに行くが、先にきていたツルが、そんな話はでっち上げだと言った。調べた結果、トラがいう所沢の土地などどこにもなかった。やはりトラは息子たちに相手にされない寂しさでウソをついたのだった。それでも一太はトラの気持を察し、温かくトラに接するのだったが……。
第十一回:チャボ!危機一パツ!
住宅街で、ピアノの練習をしていた山岸洋子・圭子の美人姉妹が、散弾銃で撃たれケガをする事件が発生した。洋子は音楽大の学生で、妹・圭子も今年、音楽大を受験するとかで、朝から夜までピアノの練習に明け暮れ、近所からもピアノ騒音の苦情が出ていた矢先の出来事だった。翌日、被害者宅から20メートル離れた七谷医院の院長・秀一の父、彦太郎が自首してきた。由香が、たまたま秀一の息子・誠と高校時代の同級生で、松岡と由香が七谷医院に取材に行った。大した収穫はなかったが、近所の人たちは彦太郎に同情的で減刑嘆願を始めたことがわかった。だが、一太は、彦太郎を現場で見た時の印象から、どうしても犯人とは思えなかった。しかし、老婆の、犯行時刻の午後7時半ごろ、彦太郎が町を歩いていたという証言もある。キャップの鬼丸は、万が一の彦太郎の身代わり説を確かめようと一計を案じた。翌日、七谷医院の待合室に工員風の一太とその妻といった感じのツルの姿があった。一太が病気らしいので、検査して欲しいと頼み込み、入院することになった。ところが、ツルの付添いは医院側から断られてしまう。一太とツルはどうも怪しいと、夫婦ゲンカを装ったりしながら、内偵をすすめていく。その矢先、何者からかの電話を受けた秀一が、深夜に外出し、若い男に金らしきものを渡した。それを目撃した一太は、ますます七谷医院に何か隠されていると深入りをしていく……。
第十二回:チャボ!みんなでグレれば恐くない?
鬼丸家に、警察の者だと名乗る男から、今やくざ者が金を取りに行くから黙って金を渡してくれ、玄関を出た所で逮捕するからという電話が入った。留守番のフジはすっかり信じたが、一太が詐欺と見破ったため、この“警察の者兼やくざ者”はあっけなく平塚刑事に逮捕された。
この男、川崎といって、14歳の時から盗みと詐欺を重ねて、人生の大半を刑務所で暮らしている。一太は、自分が逮捕に一役買ったこともあり、何が川崎を犯罪にかり立てたのか?という取材を始めた。そんな折り、鬼丸家の和也が家出。原因は、和也が6800円もする電卓ゲームを執拗に欲しがったため、鬼丸が怒って殴りつけたからだった。フジやめぐみと共に一太も和也を探したが、どこにも見当らず一夜が明けた。鬼丸も仏頂面ながらイライラと不安を隠せない。
学校との連絡で、和也は同級生の山脇敏夫の所に泊り、その後、二人とも学校を欠席し、どこかをさまよっているようだった。一方、一太は、川崎が少年時代に、盗まれた自転車を探してほしいと新聞社にかけあったが、記事にすると約束した記者が何もしてくれなかったことから、自転車泥棒に走ったことと、その記者が鬼丸だったことを知った……。
第十三回:チャボが怒ったら恐いぞ…
住宅公団の局長で次回の総選挙に立候補が噂されている三上秀一と秘書の金坂保男が、加井原興業からの2億円収賄容疑で警察の事情聴取を受けるという事件が発生。二人とも身の潔白を主張する記者会見を行った夜、金坂が新宿のアストリアホテル13階から投身自殺をした。各社とも遺書などから判断し自殺説を取ったが、東和日報は、松岡が“イーさん”というホームレスが金坂の泊った部屋に、別に二人の人影を見たと喋っているのを聞き込み、他殺説で事件を追うことにした。取材は極秘ですすめられ、一太がホームレスに変装して、夜の街で目撃者“イーさん”を捜すことになったが、さっぱり成果が上がらない。その上、デートクラブの若い女・礼子が中年男から一万円を奪おうとするところを妨害し、礼子についていた暴力団に散々殴られる始末。次の日、再び“イーさん”捜しに出た一太は、喫茶店で偶然礼子と再会。話しているうちに、礼子が10歳の時、郷里秋田から出稼ぎに出たまま帰って来ない父親を捜していることがわかった。一太はすっかり同情し、一万円と名刺を渡した。その直後“イーさん”が井之頭公園で撲殺死体で発見された。警察は暴走族の犯行らしいと発表したが、一太や鬼丸らは金坂殺しと関係があるとにらんだ。その忙しいさなか、一太は礼子を鬼丸家に泊らせ、スナッグ“桜田門”で働けるように話をつけた。鬼丸の母・フジまでがすっかり礼子に同情し、5万円を渡し、鬼丸をあきれさせる。一太は礼子のことを記事にするなど全面的に支援。その一方で、一太は再びホームレスの格好をして、さも自分が金坂の死んだ現場に居合わせたような噂をまき散らして歩いた。自分が囮になっても、事件を解明しようというのだ。思った通り、一太のエサにくいついてきたのは暴力団東西会の八木という男だった。一太は八木に連れられて、新宿のある地下室であわや撲殺!その時、尾行していた松岡や平塚刑事が飛び込んできて一件落着。一太の手柄となったが、一方礼子の件は、ツルが7年前に礼子の父が死んでいる事実をつかんできて、例の一太の記事は大誤報!?となってしまった……。
第十四回:出た!助けて、おばあちゃん…
とある雨の夕方、―太は口裂け女と遭遇してびっくり仰天。口を大きなマスクで覆った髪の長いその女は、「私、きれい?」と迫ったうえ、マスクを外し、耳元まで裂けた口を見せつけるのだ。6年前、日本を騒がせたあの口裂け女なのである。これは特ダネと勢いこんだ一太だが、鬼丸は冗談だと思って相手にしない。東和日報では富士総合病院の医療ミスの実態を他社に先がけてつかみ、そのスクープにやっきになっているところなのだ。
だが、一太はあきらめず単独行動で口裂け女を追跡。そしてまたある夜、少年を驚かせた口裂け女の後を追っていくと、女は、元大使館跡の廃墟に逃げこんだ。追いついた一太がよく見ると、女は口紅を塗り間違えているだけで普通の顔の女。だが一太をクロードと呼んですがりつくなど、どうも様子がおかしい。そこへ病院の医者がやって来て女を保護。樋口小百合というその女は、日本駐在の外交官と恋愛して結婚。夫の国へ行ったが、その国が一夫多妻制だったため帰国。今はある病院に入院しているのだが、夜な夜な夫・クロードの影を求めて大使館跡にやって来るというのだった。
早速一太はこれを囲み記事にして本社に送稿した。一方、一太の養母・トラが四国から上京。トラは、男子は30歳までに四国の女と結婚すべし!という中山家の家訓を守ろうと、一太を見合いのために連れ戻しに来たのだ。一太が見合いを渋るのは、ツルと関係があるからと思いこんだトラは、ツルに一太と別れてくれと迫った……!?
第十五回:やったぜ!チャボの名探偵…
記者稼業の楽しさを知ってルンルン気分の一太を見て嫌な予感を覚える鬼丸。そんな折り、留守番中の一太にサラ金強盗と手配されている桜井から電話が入った。自分は犯人ではないという桜井に、一太は、これはスクープだと鬼丸の許可もえず、居合わせた松岡と共に桜井と接触。真由美という女と一緒の桜井がマンションにかくまってくれというので、一太らは、二人を松岡のマンションにかくまった。
この事件を追っていたツルもやって来て、桜井から事件のいきさつを取材。桜井によれば、サラ金事務所に入った時はすでに社長の田山が傷ついて倒れていたという。ところが翌日、ツルが平塚刑事に取材すると、どうも桜井は本ボシらしい。ツルも松岡も蒼ざめ始めるが、ひとり一太だけは桜井の無実を信じて田山のもとへ取材に出向いたりして張りきっている。犯人はカバンをサラ金のビルの窓から外に放り投げているから、そのカバンさえみつかれば誰が犯人かわかると一太は考えていた。
だが、一太らが動き回っている間に、マンションから姿を消した桜井が警察に逮捕されてしまった。このまま桜井が真犯人と決まれば、自分たちは犯人隠匿・逃亡ほう助罪で逮捕され、新聞社をクビになってしまうと意気消沈の松岡とツル。キャップの鬼丸も部下がしていたことを知り、辞表の準備。そんな中で、一太は、しつこくカバンの行方を追っていた……。
第十六回:えっ、チャボがドロボー!?
ある夜、鬼丸家にへそくり泥棒が入った。フジがぬかみそ漬のかめに隠していた10万円と指輪、剛が辞書ケースに隠していた20万円、めぐみが状差しにまぎれこませていた7万円、という風に、ものの見事に隠し場所を見破られ盗まれていた。平塚刑事らが捜査を始めたが、いの一番に疑われたのが一太だった。
家庭内の事情に通じ、家族ではないよそ者の下宿人。しかもその夜、一太は宿直で記者クラブの宿直室にいた。ずっと宿直室にいたということを証明してくれる人はいないのである。さらに次の日、とんでもないことが起こった。一太の部屋の先祖の写真を飾った額縁の陰から、前の日盗まれた一切合切が出てきたのだ。これには、まさかと思っていた平塚たちも表情を険しくして一太の取り調べを始めた。悪いことに一太は宿直の夜、外出していた。たれこみがあって出かけたのだが、ガセネタだったため、ガセネタに踊らされたなんてみっともないと思い伏せていたのだ。
このことが平塚らの心証を悪くし、一太はウソ発見器にかけられる始末。結果は、一太が興奮したせいでグラフは大揺れ、益々疑われるはめに。このままでは一太が逮捕されるのはさけられない状勢になってきた。そうなれば、各社も記事にするだろうし、一太は東和日報をクビになる。そうした中で、一太は、最近“出所”して自分を訪ねてきた杉本という男のことを思い出した。一太の書いた記事が原因で逮捕されたと思いこんでいる男だった……。
第十七回:チャボっと見ていた少年!?
芝浦埠頭に、シートにくるまれて重しをつけられた老婆の死体があがった。解剖の結果、被害者の三留スマは、単にはねられたのちシートにくるまれ海に沈められたものとわかった。つまり、ひき殺してから証拠隠滅を図った悪質な事件である。ところがひき逃げの目撃者が現われず、捜査当局もお手あげの状態。事件の第一報をものにした一太は、何とか犯人をみつけようと、被害者が行方不明になった夜、歩いたと思われる道で聞きこみを続けた。
そして、とある一膳めし屋の息子の小学生から思いがけない話を聞いた。その少年・敏夫は、ひき逃げを見たというのだ。おばあさんをはねて、車に乗せて立ち去ったのは、亡くなった敏夫の父の入院していた大学病院の黒原教授だという。早速一太は黒原教授を訪ねたが、教授は全く身に覚えがないと落ち着いて答えた。しかも、敏夫とその母・圭子は、父(夫)を病院に殺されたと思いこんでいること、敏夫が学校では嘘つきとして有名なことがわかった。
東和日報では、敏夫の証言を信じていいものかどうか迷った。さらに、一応警察による現場検証が行われたが、敏夫がさし示した場所からは何の痕跡も発見されなかった。おまけに、警察から改めて聞かれた敏夫は「ゴメンナサイ」と泣き出してしまった。しかし、敏夫が嘘を言ったとは思えない一太は、もう一度敏夫に聞いた……。
第十八回:春です!!通り魔がでたぁー?
連続通り魔事件が発生、若い女ばかり三人が殺されていた。そんな折り、一太が35歳位の女のたれこみを受けた。自分も襲われ、しめ殺されそうになったのだが、犯人は近くに住む木村忠という男に違いないというのだ。女の話に信ぴょう性があることから、東和日報では木村の身辺を洗い証拠をつかむことにし、木村が店長をしているキャバレー“ピンキー”にツルをホステスとして潜入させた。
一太がツルをしつこく追い回している客になり、“ピンキー”で一騒ぎを起こすと、木村はツルに注目、その夜事務室に呼んだ。木村は言葉巧みにツルを口説き始め、その模様がツルのバッグにしのばせたトランシーバーを通して外に待機する一太の耳に聞こえ、一太は気が気でない。そして、ツルの「キャーッ!」という叫び声。木村がツルを抱きしめたため首を絞められると思ったのだ。その瞬間、木村の妻・常子が事務室に入って来たため、ツルは事なきを得た。その夜、一太は木村を尾行。まかれてしまったが、木村が消えた場所の近くで、また通り魔事件が発生。東和日報ではいよいよ木村が犯人であると確信を深め平塚刑事に連絡。
次の夜、ツルは何くわぬ顔で店に出勤。外には一太、鬼丸と刑事たちが待機。前夜に続いてツルは木村に誘われ、閉店後店内で二人きりになった。間もなく、トランシーバーを通して、外の一太らにツルの悲鳴が……!?
第十九回:ビックリ!チャボの大変装!?
板西記者のもとに寅井組のチンピラ・丸山から、何億という覚せい剤の取引について教えたいという電話が入った。板西は寅井組に顔を知られているため一太がホームレスに変装して丸山と接触を図ることになった。一方、鬼丸は平塚刑事にこのことを知らせ、警視庁と所轄の大久保署も寅井組をマーク。
だが、一太はその大変装の努力にもかかわらず丸山と接触できなかった。おまけに帰りがけに、大久保署の寅井組担当の刑事・竹野が頭から血を流して倒れているところと遭遇。この後、丸山から板西に電話が入った。誰か新聞社にたれこんだ奴がいるということが寅井組に伝わっており、内部のしめつけが強くなってとても接触できないというのだ。これを聞いて東和日報記者クラブでは愕然とした。東和日報か警察の人間しか丸山のたれこみのことは知らない。その中の誰かが逆に寅井組に通報したことになる……。一太は、ホームレスとして待機中に、竹野刑事が30万円もの競輪のはずれ券をゴミ箱に捨てるのを見ていた。刑事がそんな額のギャンブルをできるだろうか?
しかし、竹野は寅井組の人間らしい何者かに頭を殴られている。身の潔白を証明する芝居にしては危な過ぎる。ともかく一太は、自宅療養中の竹野刑事を見舞った。そこで一太は、竹野とその妻・照子とのすさまじい夫婦喧嘩を目撃。どうやら竹野には寅井組の近くにあるマンションに愛人がいるらしい。
第二十回:チャボの危険がいっぱい…!
宿直の夜一太は、母を殺したので自首したい、つきあってくれという電話を受けた。あわてて、その家へ行ってみると全くのいたずら電話。その間に、暴力団の抗争で市民が巻き添えをくって死亡という事件が起き、東和日報だけがそのニュースを逃がしてしまったため、鬼丸はカンカンになって怒った。一太は頭にバケツを乗せて立たされるはめに。
罰として、もう一晩宿直になったその夜、またしても自首につきあってくれという電話が入った。一太は半信半疑で出かけたが、今夜はちゃんと電話をかけた男が待っていた。小山というその男は、拾った80万円を競輪で使ってしまったので自首したいというのだ。ところが、前科がつくのではないか、新聞に名前が出るのではないかとグズグズし始めた小山は、気持ちの決着がつくまでつきあってくれと一太を引き回した。早く決心してくれという一太を引きとめながら、小山はあるアパートの空室に入りこんだ。そして、段々行きづらくなるから行きましょうとアパートを出ようとした一太を殴って気絶させてしまった。
―太が目覚めると、もう、みんなが出社している時間。社に連絡しようとしたが、縛られて動けない。自首しろとうるさいので縛ったという。あげくの果てに小山は、一太の財布で買って来た包丁で一緒に死んでくれと言い出した。そんな時、2階の―室の母親が、子供が二人火事の中にいると叫んだ。小山はあわてて一太の縄を切り、二人は炎の中に飛びこんで行った-。
第二十一回:チャボもビックリ!ツッパリじいさん…
一太は、鬼丸からとんでもない用を頼まれた。鬼丸の大学時代の恩師で、先頃退職した板垣の身の周りの面倒をみてやってくれという。板垣の妻が家出したため家事をみてくれる人がいないのだ。一太は、公私混同だと怒ったが、キャップの命令にはさからえない。おりしも、誘拐事件が発生。一太は取材に出ようとしたが、鬼丸は、報道協定で暫くは動けないからと、一太を板垣家に追いやった。板垣の妻・静子は、「長い間、大変苦労させていただきありがとうございました」という厭味たっぷりの日記を書き置いて板垣の退職金2000万円を持ち出しているという。
この先生、家のことは何から何まで奥さんにまかせっきりだったらしく、家の中は散らかり放題。鍋はこがすし、風呂は空焚きで浴槽を燃やしてしまうという具合。一太ひとりでは手に負えないためツルも応援にやって来た。だが、ツルが妻を自分の従属物としてしかみていない板垣が悪いと説教したため、板垣がカンカンになって怒り出した。あげくの果てに板垣が妻になど帰ってきてほしくない、退職金が心配なんだと言い出したため、一太とツルも怒って板垣家を引きあげてしまった。ところが、その後、自殺の名所・錦ケ浦に、静子らしい水死体があがったという知らせが入った。
板垣は、すっかり悄然としてしまい、ついに、ビルの屋上から自殺を図った。間一髪で一太がとめにはいって助かったが、板垣が静子を深く愛していたことがわかり、一太も胸をうたれた。そして、板垣を連れ帰ったところ、板垣家の玄関に女物の靴があった……。
第二十三回:チャボの長~い長~い一日!
ある中学で生徒が教師を刺すという事件が発生したが、一太は、刺した生徒・脇坂の話に信ぴょう性を覚え、独自取材にのり出した。取材に対して刺された教師・広岡は、脇坂に襲われた模様を克明に語り、周囲の評判も、脇坂に対して良くないものばかりだった。一太は、目撃者の生徒・上条にも取材。上条は、もみあっている二人の様子から脇坂が襲ったように見えたという。その証言に割り切れないものを感じた一太が上条を尾行すると、そこに脇坂が現われた。一太が脇坂から事情を聞くと、実はナイフを持って襲いかかったのは広岡の方で、その後もみあっているところを上条が目撃したのだと語った。
一太は上条の持っているナイフの形が、広岡が傷つけられたものと違うことを確認。脇坂の話を信じた。一太は、広岡に自首させようと広岡を訪ねたが否認。そうして一太が取材に飛び歩いている頃、スナック桜田門では、松岡記者が、小出という男に包丁をつきつけられていた。小出は、ひと月前に人を助けたという記事で新聞に名前が出たため、その時浮気していたことが女房にばれ、女房に家出されてしまったのだ。
小出は、記事を書いた一太を殺して自分も死ぬから一太を連れて来いという。鬼丸以下、東和日報の面々は、必死に小出をなだめるが小出の興奮はおさまらない。そして、一太はどこへ行ったものやら……。
第二十四回:チャボもあきれたダメ父さん!
ある日、一太の車・ワーゲンの中に、風呂敷包みが放りこまれてあった。開けてみると、中には何と骨壺と位牌。添えられていた手紙から、一太が以前取材の途中で出会ったことのある山根という男が放りこんだものとわかった。骨は、亡くなった山根の女房のもので、自分が幸せになるためにしばらく預かってくれという。
そんなことは引き受けられないと、一太が、山根のアパートヘ骨壺を返しに行くと、山根はサラ金に追われて蒸発。本人はいなかったが、山根の死んだ女房の連れ子の透が部屋に居り、一太はこの子も預かるはめに。かくして一太は、必死の面持ちで山根を探し始めた。手がかりは、山根の入り浸っているバチンコ屋。ようやく山根をみつけて、現在、彼が住んでいるアパートまで追いかけると、山根は、自分は再婚するのだから女房の骨も子供も邪魔なのだと語る。そこへ現れた山根の再婚相手の青山美沙は一流商社の秘書だと自称。一太は、美沙が、山根の中学の同級生だが、数年音信もなかったのに突然訪ねて来てひと月目には結婚といういきさつに疑問をもった。
調べてみると、一流商社の秘書というのは真赤な嘘だった。これは怪しいと、美沙を尾行すると、美沙は他にも男と結婚話をすすめており、その男からは500万の金をせしめようとしていた。しかし、サラ金に追われている山根から何を取ろうというのだろう? 山根の郷里を取材してみて全てがわかった。山根の父がふた月前に死に、山根は1億円の相続人になっていたのだ。一太は、山根に美沙は結婚詐欺師だと告げたが、山根は信じようとしない……。
第二十五回:息子は無実!怒れチャボ!!
一太は、とある警察署で山田ハツという初老の女と出会った。ハツは、息子の汚名を晴らしてくれと一太に頼んだ。ハツの息子・幸男は、新聞報道によれば、5日前、友人の服部晴美と酒を飲んだうえ、無免許でオートバイに乗り、電柱に激突し即死していた。だが、ハツは運転していたのは、晴美の方で幸男ではないという。
ハツは事故を目撃したわけではなく、自分の子を信じる一心からだった。一太は、一応調査を開始したが、事故を目撃したトラック運転手・森川が、運転していたのは赤ヘルメットの幸男だと証言しており、警察の調査も完全だった。だが、事故現場周辺の電信柱に「目撃者ご一報を」の貼り紙をして歩くハツの姿を見て、一太は心を動かされた。おまけに心臓の悪いハツは倒れて入院。幸男の兄は、一太に余計なことをするなと言った。山梨で酪農を営む山田家に農協の融資がストップしたという。ハツが騒ぐので、晴美の父で山梨出身の服部代議士が圧力をかけているのだ。これを聞いて一太は怒りに燃えた。
さらに、電信柱の貼り紙を見て、牛乳配達の男が、赤ヘルの幸男は後ろに乗っていたという証言をした。一太は、トラック運転手の森川に真実を話させようと徹底的につきまとった。だが、服部代議士は、森川の勤める運送会社の役員でもあったため取材は難航した。
第二十六回:最後にチャボっといい感じ!!
東和日報の人事異動が近づいた。鬼丸キャップが、本社の社会部長に昇進するらしいということで記者クラプはわきかえった。また、一太がニューヨーク特派員に推薦されたため、松岡らは羨望と嫉妬のまなざし。だが、当の一太には、二つ返事で引き受けられない事情があった。密かに愛情を抱き続けているツルを一緒にニューヨークヘ連れて行きたいのだ。
だが、ツルの気持ちがわからない。そんな折り、万引きで捕まった原島和彦という少年が、一太の名刺を出したとめぐみから連絡があった。和彦は前に一度、タクシーのただ乗りで捕まったのを一太が助けてやった少年だった。話を聞くと、両親が別居中なうえに、父も母も勉強しろとやかましく言うので、どちらのもとにもいたくないというのだ。高校にも行きたくないというので、一太が、じゃあ何をしたいのだと問うと答えられない和彦だった。和彦の相手をする一方、一太は、ケガで入院しているツルの娘・那須美を見舞った。
そこで人形を差し出した一太だったが、ツルの別れた夫からもらった人形を大事そうに抱きしめる那須美を見てショックを受けた。和彦から、牧場で馬を育てたいという夢を聞いた一太は、それなら怖がっていないで、一人で牧場へ行ってみろと励ました。そして自分も一人でニューヨークヘ行こうと決意した。その矢先、ツルの別れた夫が、航空機事故で死亡したというニュースが入った……。
キャスト・スタッフ
スタッフ 脚本:布勢博一他
監督:高井牧人他
出演 中山一太(東和日報記者)・・水谷 豊
一之江ツル(東和日報記者)・・伊藤 蘭
鬼丸剛(記者クラブ・キャップ)・・藤岡琢也
松岡文雄(東和日報記者)・・渡辺篤史
大河原信英(東和日報記者)・・有川 博
平塚六三(警視庁部長刑事)・・藤木 悠
鬼丸めぐみ(鬼丸の娘)・・木ノ葉のこ