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神奈川ビジネスUp To Date

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放送時間

毎週月曜日 よる9:00~9:30
  土曜日 あさ6:25~6:55(再放送)

番組内容

いまの神奈川経済がわかる!
全国の上場企業1800社中、約200社が本社を置く神奈川県。
県内唯一の地上波テレビ局tvkが県内で活動する企業を中心に各企業の魅力的な取り組みやトップインタビューなどの経済情報をお届けします。

出演

内 田 裕 子(経済ジャーナリスト)

■プロフィール
大学卒業後、大和証券入社。社内TV放送のキャスターに抜擢されマーケット情報や経営者との対談番組に多く出演。2000年、財部誠一事務所に移籍し経済ジャーナリストとして活動開始。国内だけでなく新興国などの取材も多く、製造現場の取材、経営者へのインタビューを得意とする。
著書に大西 洋氏(三越伊勢丹ホールディングス代表取締役社長執行役員)との共著「三越伊勢丹 モノづくりの哲学」(PHP新書)。

3月19日放送
ものづくりの構造に革新 設備産業の注目ベンチャー

ゲスト
アペルザ
代表取締役社長 兼 CEO     石原誠さん


日本の基幹産業である製造業。中でも根底を支えるのは約23兆円とも言われる設備産業だ。ものづくりに必要なセンサー、モーターなどの膨大な種類が存在する「生産材」。この「生産材」の組み合わせ・活用によって工場や生産現場は大きな価値を生み出している。横浜市のアペルザはこの巨大市場にインターネットの力で革新。ものづくりのプラットフォームを見据えた事業モデルについて、創業者の石原誠CEOは「製造業のアマゾンを目指す」と語る。今後への期待が高まるアペルザのビジョンと組織に迫る。



内田
石原社長は「製造業に革命を起こす」ということで、アペルザを立ち上げた。今、日本の製造業は、インターネットを使っていろいろな素晴らしい技術を伝えるということが遅れている。そこを手伝いたい?

石原
その通りです。

内田
石原社長から見て、日本の製造業の素晴らしさ、特に注目されているのは「生産材」のところだと思うのですけども、これはどんな風景として見えているのですか?

石原
製造業の中でも我々は「設備産業」といわれるところにまず注目しています。日本には大体40万事業所、相当数の工場があるのですけども、この40万事業所の工場の設備を誰が作っているかと言いますと、工場の中で働いている人ではないのですね。工場の方々はその設備を社外に発注していて、その設備を作る会社があるわけですけども、つまりその40万事業所の裏には「設備を作る」という一大産業がありまして、この領域に関しては日本がまだまだ世界の中でも強いという風に見ています。

内田
例えば食品であるとか、エレクトロニクスの機械というものが日々量産されているわけで、その量産するための設備を専門的に作る人たち、ものづくりの現場を作る人たちに目を付けている。いろいろな設備を作っている人たちがお客さんとしてのターゲットであって、このお客さんたちが必要としているのは「生産材」であると?

石原
そうですね、「部品の生産材」のことですね。

内田
それでこの人たちと生産材を作るメーカーを繋げようと。

石原
基本的にメーカーさんは自社で営業組織を持って、直接そういった設備を作るような会社に営業をかけるわけではなくて、販売店さんですとか、商社さんですとか、代理店さんみたいな方々が間に入るのが一般的なんですね。全国に工場はありますが、全国にそういった商社さんもいらっしゃって、販売ネットワークを使ってメーカーさんは自社の商品をお届けするのが今までの流れだった。

内田
ですが、これからは違うのではないか、という問題提起ですね。

石原
今の時代はこの製造業の設備領域でも変化のスピードが早い。その設備を使う側のニーズが日々変わっていきます。このスピーディーに変わるニーズにメーカーが応えていかなければならないのですけれども、間に入る企業さんがいらっしゃいますと、なかなかこの声が届く速度であるとか、自分たちがついていくスピードに欠けるものがありますので、合理的に、いわゆる「ヘルシーな市場」にしていく必要があると思っています。

内田
アペルザのサイトにその商品を載せてもらうだけで、広くユーザーに繋がれるということ?

石原
はい、その通りです。生産材の部品というのは、ものすごくたくさんのものがあるのですが、これを整理してきた人があまりいなかった。例えば一口に「モーター」といってもいろいろなモーターがあります。このデータベースを誰かが作らなければ探す側は大変なわけで、それを我々が今やっているという。

内田
改めてお伺いしたいのは、それをアペルザがやることによって、誰が得をして、日本の製造業はどういう風になっていくのですか?

石原
売り手と買い手の両方に分けてお話をしていきますと、買い手にとっては「ものを選ぶ」という大変な業務、ある調査によりますと、そういう装置とか設備を設計する方の60%の時間は「もの探し」と言われていますので、この業務の生産性を一気に上げることができる。一方で売り手にとっては、日々刻々と変わるユーザーのニーズにダイレクトにアプローチし、自社の製品開発ですとか、販売戦略のお役に立てるという風に思っています。

内田
敢えてお伺いするのですけど、今までは限られた狭い世界の中でものを取引していたという世界で、けれども全てアペルザのサイトで「見える化」され、価格もオープンになり、良い製品が他にもあるということがわかってしまうと、非常に厳しい競争にさらされるんじゃないかという。

石原
ご指摘の通りだと思っています。短期的には、今までは比較検討されなかったものが明らかになってしまいますので、痛みは伴うものだという風に私は思いますが、ただこれを長期的に見ますと、そのメーカーさんにとっては、かけがえがない強みが養われていくんじゃないかという風に思っていまして。痛みを伴いながらも、自社の成長に必要なものを避けて通れないという時代になってきているので、嫌われ者になるかもしれないですけど、我々がやっていけば日本の製造業全体の成長が期待できるんじゃないかと思っています。


2016年7月に設立したアペルザ。製造業向けのカタログポータルサイト「Aperza Catalog」、工業用資材の価格検索サイト「Aperza」、「ものづくりニュース」、「オートメーション新聞」など、製造業に特化したインターネットサービスを提供している。ミッションに掲げるのは「ものづくりの産業構造をリデザインする」。膨大な数の生産材をまとめ、プラットフォームにすることで、ものづくりにおける「情報流通」「取引のあり方」「コミュニケーション」の変革をもたらそうとしている

内田
運営されているのが「価格検索サイト」と「カタログポータルサイト」ということで、今7000社ほど掲載されているということですけども、これはどういうビジネススキームなのですか?

石原
我々のサービスは大きく分けますと3種類に分かれます。これは購買側、買い手側の方の業務プロセスに応じてサービスを組み立てているからですけども、購買プロセスを大きく分けますと3つの段階、まず第1段目に情報を集めるという「情報収集」をして、その次に「比較検討」、最終的に「調達購買」するという3つのステップに分けて業務が進んでいます。例えば情報収集に必要なものといいますとメディアですね。そういった情報を掲載するようなメディアが必要になりますので、我々は「オートメーション新聞」という、これは経営統合して今一緒にやっているこの道40年ほどの歴史があるような新聞社で、ここでまず情報をご提供しています。2つ目のステップ「比較検討」でカタログのサービスが出てまいります。ものを選ぶ時に技術者の方がスペックをカタログでチェックして、「今回これが使えるぞ」とか、「今回はこちらの方がいいんじゃないか」という選定に必要なカタログを集めているのが、カタログのデータベースになっております。

内田
凄まじい数じゃないですか。何万もあるくらい。

石原
今7000社のメーカーさんを収録させていただいておりまして、これは地道に営業して集めてきた数なんです。そして3段階目というのが、先ほど「調達購買」と申し上げましたが、この業界では最終的にこれを買おうというものが決まった後も、相見積もりを取ってどこから買おうか、というのが商習慣として根付いているわけですけど、こういった相見積機能さながらの価格比較サイトをやっているんです。

内田
これが今7000社。目標としては何社ぐらいを?

石原
日本には8万社の生産材部品メーカーがあると言われていますので。

内田
8万社もあるんですか。製品でいうともっとですよね?

石原
もう気が遠くなるような、本当に星の数ほどありますので。

内田
それを全部、取りにいく?

石原
そうですね、願わくば。

内田
本当に「日本の製造業を応援する」という、理にかなっているビジネスだと思って感心するのですけども、その一方で、それをアペルザが全部やるということになると、今まで機能していた代理店、商社、卸しという人たちは、「何か勝手にアペルザがやってるぞ」ということで、ざわつくというところはありますよね?

石原
我々、商社さんとか、いわゆるミドルマンの方々を否定しているわけではないのです。もちろん、商社さんが今もなお、市場で必要とされる機能を提供していますので、例えば在庫はメーカーさんが持たずに商社さんが持ったりとか、あるいはファイナンスのファンクションになったりとか、そういった機能は今後も必要になってまいります。変化のスピードが早い市場を作っていくというのがテーマになってきますので、検索に必要な情報材料を集めていくためには、今の商社さんの方が圧倒的にその辺詳しいので、一緒に組んでやっていきたいと思っています。

内田
もう一つ聞きたいのは、メーカーが今まで商社、代理店とうまく関係を作ってきて、在庫を持ってもらったり、自分たちの代わりにどんどんものを売ってもらったりということで、持ちつ持たれつの関係があったわけじゃないですか。そういう人たちがいるのに、自分たちの製品をアペルザのところでどんどん売ってもらおう、eコマースの方に行くというのは、メーカーに葛藤はないのですか?

石原
3月にeコマースのサービスを新しく出したのですが、いわゆる「マーケットプレイス型」でサービスを作ったんです。これは楽天さんをお手本にして作っておりまして、我々自身が直接ものを仕入れて販売するというスタイルではなくて、あくまでeコマースのプラットホームをご提供し、そのプラットホーム上に商社さんですとか、代理店さんをお招きして、一緒にネットで販売をするような、そういう時代を作っていこうという試みなんです。

内田
そのプラットホームを構築するにあたって、アペルザとして、「ここは絶対に守っていく、外さない」という、貫いていくものは何ですか?

石原
一つ、とても大切にしていることがあるのですが、「フェアであること」です。我々のサービスというのはやはり中立的に運営されているからこそ市場で必要とされると理解しておりまして、我々自身の成長とか売り上げですとか、そういったものにこだわり始めてしまいますと、どうしても自分たちの都合のいいことをやり始めていくと思うんですね。そういったサービスというのは、世の中というか、市場から受け入れられないと自分たちの首を絞めることになっていくので、我々は少し先を見て、よく社内では「半世紀視点」ということを言っているのですけども、50年100年先を見て、そこでも必要とされ続けるような、そういうサービスを作る、そういう意気込みで、うちの社員はここに集まってきているんだという風に考えています。


アペルザが本社を構えるのは、横浜市中区の山下公園からほど近いオフィスビル。創業の地に横浜を選んだ理由とは。

内田
横浜で製造業のベンチャーっていうのは非常に珍しいですよね?

石原
ベンチャーの数そのものがそんなに多くないですよね。

内田
横浜に本社を構えた理由というのは何だったのですか?

石原
私どものこの「アパルザ」という会社の社名、これは英語のオープン、これの語源になったラテン語でアペルトという単語があるのですけども、つまり製造業をオープンにしたいという思いを込めて会社名を決めたんです。それでいろいろ考えた時に、「そういえば日本が開港した時、どこから開港したんだっけ」というのを考えた時に横浜の港が。

内田
そうですね。

石原
それで港の近くのオフィスビルを探しに行ったら、抜群に良いロケーションだったので、もう一発で気に入ってしまって決めたんです。ただ一番決め手になったのは、私の心の中ではですね、横浜の雰囲気だけじゃなくて、これから我々が大きくなって、それこそ世界で名だたる企業と戦っていくためには、実は東京のゴミゴミしたビル群の中で働いている環境よりも、横浜でのびのびと働ける環境の方がグローバルで戦っていくという環境にフィットするのかなという風に思っています。

内田
非常にセンスがいいなと思いますよね。立ち上げて2年という短期間でここまで急激に成長している理由は何だと思いますか?

石原
このスピードをどう担保できたかというお話をさせていただくと、先ほど申し上げたような「オープンにする」というのが実はキーワードだったのかなっていう風に思い返しています。とにかく我々は社内での情報の非対象を作らないように、かなり経営陣もケアしていまして、同じ情報を持ち合わせていれば、どの社員に明かして、会社の次の成長となること、最前線を張っていくようなことを任せられるわけなんですね。ITのサービスを活用させていただいているのですが、それだけではなくて、未だに、我々の社員が70名ほどになってきたのですが、全員を集めたミーティングを毎週やっているんです。全員の時間を週に1回とはいえ、1時間ロックするのはかなりの投資額になりますし、それでもやはり今、会社の中で、どの部署で、どんなことが起こっているかというようなものをそれぞれの社員が知っていることに今かけていますので、痛みを伴うわけですけれども。

内田
でもそこの投資は惜しまない?

石原
惜しまないです。


アペルザのビジネスモデル、ビジョンには多くの投資家が共感している。これまでにおよそ8億円の資金調達を実施。昨年3月には元ソニー会長の出井伸之氏をはじめとする3名のエンジェル投資家からの出資を受けている。アペルザの経営顧問を務める出井氏に、今の製造業の現状、アペルザへの期待を聞く。

内田
出井さんは様々なベンチャーにアドバイスをされている立場でいらっしゃるのですけども、数あるベンチャーの中でどうしてアペルザに注目をしたのですか?

出井
僕はずっとものづくりの企業に働いてきたでしょ。ですから生産材というか、部品というか、そういうようなものというのが、もう開発から、試作から、量産まで、あらゆるところまで絡むわけです。全部の窓をまとめて、カタログをネットで作って、それをやるというのは当然必要なわけですよね。だからそういう風に、オープンにしようという、今までクローズなものを開けましょうと、そういう意味で、名前も良いし、やっている人たちも元気だし、場所も横浜で良いところにいるし。

内田
出井さんからご覧になって、グローバルでご覧になっていて、日本の生産材というものの強みというか、良さというのはどういうところにありますか?

出井
それは部品が強みでしょう、やはり。例えばメーカーがこういう新しいものを作って、その為にこういう部品がいるという風に思うこともあるし、「この部品があるんだったらこんなものできるな」って思う時もあるし。それは時によって様々じゃないですか。

内田
今の日本の、製造業だけじゃないにしても、産業の現状がすごく変革期であると。

出井
そう思います。昔から「インターネットは隕石で、企業は変革しないと恐竜みたいに死に絶えて、ほ乳類が生き残りますよ」とか言っていたんだけど、今度はまた、第二の隕石が落ちてきて、そういう技術が、今度は隕石群なんですよね。インターネットだけじゃなくて、AIもあれば、ブロックチェーンもあれば、5Gもあれば、IoTとか。こういうような時には、やはり世の中が、ものづくりが早く変わる時代が寸前まで来ている。

内田
そこにはもう答えはなく、個々の企業がそれをどう取り込んで。

出井
そうです。だって2000年の頃、フェイスブックだとか、アマゾンとか、ああいうものがこれだけ伸びるとは誰も思わなかった。それと同じようなことが起きてきて、今の産業が、企業が継続的に伸びるということと、それから全く新しいビジネスモデルのイノベーションができてきて、そうすると日本はものづくりがいいから、IoTとかで、ただ技術じゃなくて、新しいビジネスモデルができるんじゃないかなと思うんですよね。アメリカの企業でも日本に研究所とかラボを作ろうという動きが、横浜なんかずいぶん多いじゃないですか。

内田
そうです、その通りです。

出井
そういう意味では、日本が再認識されると良いなと思うんですけど、ただそれが隠れたものじゃなくて、もうちょっと目をオープンにしなければ。だから「日本のアペルザ化」だね。


製造業に特化したプラットフォームを提供するアペルザ。サービス開始から1年、日本に8万社あると言われる生産材のメーカーのうち、すでに7千社が登録している。石原社長が見据える今後のビジョンは。

内田
ここまでくるのに様々な支援者がいて、ファイナンスも8億円、出資者もいるということで、それだけ皆さんが応援してくれる魅力があるということですけども、今のところは、そういった投資をしてもらっているものを使って、土台を固めているところですよね。

石原
そうです、投資ベースですね。

内田
そしてこれがIPOしていく、上場を目的、目標に掲げている?

石原
そうですね。マイルストーンの一つという風には捉えていまして。過去に海外の企業との取引で、会社がパブリックであると非常にスムーズにいくとか、やりやすさがあるというのを会社の経営の戦略としても考えていますし、やはり会社の経営を、透明性を持ってやっていくというのがとても向いているサービスなのかなと思っています。

内田
石原社長が見据えている、アペルザというのはこういう会社になるんだ、ということを改めて聞くと、どんな会社になっていくのでしょう?

石原
製造業をインターネットの力で活性化させるというのが、私たちが取り組んでいくことなので、常に製造業に新しいサービス、新しい考え方、そういったものを我々が持ち込んで、いろいろな角度で製造業を支援していくことができれば、そんな会社であり続けたいと思っています。



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