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神奈川ビジネスUp To Date

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放送時間変更のお知らせ

毎週月曜日 21時~21時30分
  土曜日 23時~23時30分(再放送)

*4月から放送時間が変わりました

番組内容

いまの神奈川経済がわかる!
全国の上場企業1800社中、約200社が本社を置く神奈川県。
県内唯一の地上波テレビ局tvkが県内で活動する企業を中心に各企業の魅力的な取り組みやトップインタビューなどの経済情報をお届けします。

出演

内 田 裕 子(経済ジャーナリスト)

■プロフィール
大学卒業後、大和証券入社。社内TV放送のキャスターに抜擢されマーケット情報や経営者との対談番組に多く出演。
2000年、財部誠一事務所に移籍し経済ジャーナリストとして活動開始。
国内だけでなく新興国などの取材も多く、製造現場の取材、経営者へのインタビューを得意とする。

1月9日放送分
「2017年の神奈川経済 新たなトピックと展望」

ゲスト
株式会社浜銀総合研究所
上席主任研究員 新瀧健一さん


【プロフィール】
慶應義塾大学卒業後、1987年 横浜銀行入行
日本経済研究センター、アメリカ・コンファレンスボードへの派遣を経て
1995年より浜銀総合研究所


今回は2017年の神奈川経済を徹底討論。2016年の振り返りと、これからの神奈川経済への期待について伺います。

内田
2017年初回ということで、今年も浜銀総研の新瀧健一さんに神奈川経済についてお話を伺っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

新瀧
よろしくお願いいたします。

内田
まずは、神奈川経済ならではの特徴、というものがあれば教えていただきたいのですけども。

新瀧
神奈川経済の特徴は、日本経済にあるすべての産業がフルセットで揃っている。言い換えると、日本経済の縮図である、というところが特徴と言えば特徴かもしれないです。

内田
神奈川経済を見れば、日本が分かるとも言えるということですね。

新瀧
加えて「港がある」というのが大きな特徴です。港があるところにしか、物流・海運関係は発生しませんし、裏返すと、為替レートとか海外経済の影響を大きく受ける。これも神奈川経済の大きな特徴だと思います。

内田
まずはですね、去年2016年を振り返ってみたいと思うのですけれども、去年の経済はいかがでした?

新瀧
実は想定しなかった2つのこと、「円高」と「災害」。この2つによって、神奈川の経済もちょっと下を向いたかな、という様な印象を持っています。

内田
日本は金融緩和で円安に動かしてきましたよね。それが去年、一転して円高に振れたと。これは何故だったのですか?

新瀧
一つは、チャイナショック、中国経済の減速。もう一つは、イギリスのEU離脱の国民投票。これもまた想定外だったのですけども、この2つの影響で、今、世界経済が混乱すると、安全通貨である「円」が買われるというのが相場の常識になっているので、これによって円高が夏場にかけて急進した。円高になると輸出企業は不利。神奈川は輸出に関わる産業の集積が大きい。従って、日本全体の中よりも、神奈川は円高によって企業の業績が悪くなったり、輸出が減って生産が落ちて、という様な悪循環が強めに出た地域なのかなという風に思います。

内田
中国の経済がちょっと危ういということで「元」が売られ、安全と思う「円」が買われ、今度は「ポンド」というものが売られて、「円」に逃げてきたという。どんどん「円」が上がっていったということですね。そこからどうなっていきましたか?

新瀧
そこからは、秋口にかけてアメリカの大統領選挙、これも「トランプ大統領になるのだったら、60円80円と円高になるのではないか」と事前には思われていたのですが、実は蓋を開けてみると、円安・株高。これによって輸出業は一安心、という雰囲気が強まって、昨年の年末にかけて、企業のマインドも戻ってきたのかな、という印象で見ています。

内田
結果的に円安・株高ということになった日本で、皆半信半疑ながらも、良かった、という流れになってきている訳ですよね。

新瀧
そうですね。

内田
もう一つ、「災害」というキーワードでした。

新瀧
まず4月の熊本地震。もう一つは、相次ぐ台風の襲来。直接的な被害は神奈川では大きくなかったと思うのですが、やはり心理的に大変なことが起こったということで、消費者が財布の紐をギュッと締めた様な印象があります。加えて、特に台風の方は農産物価格を急騰させましたので。

内田
野菜、キャベツとかレタスとか、すごく上がりましたね。

新瀧
高くなりましたね。そうすると、やはりものの理として節約志向が強まってしまう。こういう様なところが、夏場から秋口にかけて県内においても個人消費を冷やしたのかな、という風に考えています。

内田
その2点がマイナス要因ということ。反対に、良かったことというのはありますか?

新瀧
まず第一に箱根の火山活動が収まって、箱根の観光が通常の活気を取り戻したこと。これは大きいですね。

内田
やはり随分お客さんが戻ってきている?

新瀧
そうですね、特にロープウェイはゴールデンルートの主要な場所ですので、あそこが正常化したところが大きいと思います。

内田
良かったですね。

新瀧
もう一つ挙げるとすると、神奈川県で造られている車がすごく売れ始めた、ということですね。去年の11月の月間販売台数を調べると、横須賀の追浜工場で造られている日産の「ノート」が1位を更新したのですね。日産車が1位の座を獲得したのは、日産の「サニー」以来30年振り。

内田
随分昔ですね。

新瀧
30年前を振り返ると、1986年になるのですが、ちょうど円高不況からの出口だった時期。そして今回も、円高の局面が終わった時期。それで、神奈川で造られている車が売れている。これは奇妙な符合を感じまして。これから、非常に景気が良くなってくれるのではないか、ということを期待させる動きです。

内田
それはいいことですね。でも、何故その「ノート」が今評価されているのですか?

新瀧
新型のエンジン、電気自動車でありながら、ガソリンで発電したものを充電していく、という新しいエンジンが、消費者の支持を集めているのです。そういう意味では、「新しい技術」によって生まれた商品が「魅力的だから買う」。これはすごく今までの動きと違いまして。過去20年くらい調べると、乗用車が売れた時期というのは、エコカー補助金だったり、買い替え特例だったり、「今買わないと、金銭的に損ですよ」みたいなところで売れた時期だったのですが、去年の終盤は「いいものだから売れる」。極めて正常な形に、経済が戻ってきたのではないかな、という風に思いますね。

内田
「いいものだから買おう、買いたい」というマインドがもっといろいろなものに波及してくるといいですね。

新瀧
はい。そうすると、デフレも脱却できると思います。

内田
他にはありますか?

新瀧
マイナス金利も、地元の経済にとってはプラスに働いたのかな、という数字が出ています。

内田
「マイナス金利」はすごくネガティブな話しかなかった印象ですけれど。

新瀧
本筋としては、金利が安いので前向きなところにお金を使ってください、それによって経済を好循環で回していきましょう。

内田
そういう意図であった訳ですよね?そもそもは。

新瀧
去年の12月に日銀の横浜支店が発表した、神奈川県の企業の設備投資計画を確認すると、前年比23%の増加。一昨年は4%増、その前が0.1%増でしたから、増え方は飛躍的なのですね。

内田
設備投資をするということは、そこで新しいものを作ろう、新しいものを産み出そう、という企業行動ということですよね?

新瀧
設備投資は「投資の二面性」と言われまして、工場や機械を買うことにお金が使われる。それで据え付けられた後に、更に高付加価値なものをその工場でやっていくという。その2つの側面があるので、地域の経済が良くなるためには、投資が増えるということが一番いい、という風に考えています。

内田
引き続き、2017年のトピックをお聞きしていきたいと思います。


全国で進行する少子高齢化。中でも神奈川県はトップクラスの速さで進んでおり、人口910万人のうち、65歳以上の老年人口が占める割合は30年前のおよそ3倍の23.4%になっています。また、それと同時に15歳から64歳までの生産年齢人口の割合は63.8%と減少。2040年には、さらに55.2%まで減少していくと予測されています。人口減少と少子高齢化の中、企業に求められるものとは。

内田
今、データ見ましたけれども、本当に予測通りに高齢化が進んでいる。ずっと何年も前からこれは予測していたにも関わらず、なかなか歯止めが出来ずに今の状況になっているということなのですけども、これはどの様な影響が出てきますか?

新瀧
まず地域経済の観点からは、事業承継、会社の後継ぎをどうするんだ、という問題があります。特に神奈川の場合には、高度成長期に地方から出てきて、工場で勤めて、自分で会社を起こして…そういう様な中小企業の社長さんがこれまで勝ち残ってきて、すごい技術を蓄えている。そういう会社さんがいっぱいあるのですね。

内田
ええ。

新瀧
その方々が、70歳を超えてくる。まぁ、70歳が引退のラインという風には思いませんけれども、いずれ、やはり後継ぎの問題というのが表面化してくる。もしも会社をたたんでしまったりする様なことになれば、これまで勝ち残ってきたその技術が失われてしまうことになるので、地域の経済としては、非常にマイナス。そういうことにはならない様にしなければいけないのだという風に思います。

内田
本当に収益性が高いところは、ちゃんと後継ぎがいるのかもしれないですけど、素晴らしい技術があっても、後継ぎがいないところも沢山あると。これはどうしたらいいですか?

新瀧
その技術を、大きな企業、または同業のところに移転して、お金を社長個人として得たり、あるいは会社自体が他の企業と合併する。その様な形で技術力、開発力というのは、やはり地域経済の観点からは移転して欲しいという風に思います。

内田
それがうまく促される、マッチングがうまくいくというためには、地域の金融機関さんも相当頑張ってもらわないと、というところもありますけど。

新瀧
そうだと思いますね。

内田
見方を変えると、皆が経営が厳しくなっていくということは、供給過多であるという側面もあって、ある意味、生き残るところ、本当に素晴らしいところはきっと買い手もつくだろう。でも、残念ながら淘汰される、という意味においては、本当に限られた、残ったところに補助金というものが集約して、更に競争力を持てるのではないか、という明るい側面もあるのではないかと思うのですが。

新瀧
おっしゃる通りだと思います。そういう意味では、補助金の効果がこれまで以上に強くなるのかな、という風に期待したいですね。

内田
日本がどんどん高齢化していく、労働人口が減っていく、という風になっていくと、やはりきちっと日本経済を支えていくために、それを補うことをしていかなければいけないという意味では、「生産性アップ」ということがよく言われていますけれども、この点はいかがですか?

新瀧
今、人手不足感が本当に強い。去年で言うと、景気状況は悪いのに、人手不足を感じる企業の割合が非常に高い。そういう矛盾した状況が生じているのですね。何故かというと、人手が不足している、その不足分を補うための求人が、これまでと同じ感覚で行われているから。その辺りに、少し変化の芽が出始めています。

内田
どういう変化ですか?

新瀧
ハローワークにヒアリングしたところ、例えば、県内のあるドラッグストアは、求人をしても思うように人が集まらないので、その業務をアウトソーシングする。専門家に任せることによって人手不足から解放される、という選択肢を選ばれた会社さんもあります。もう一つは、やはり人手がなかなか集まらない企業に対して、ハローワークが求人の内容を絞って、賃金をもっと上げたらどうですか?というアドバイスをしたら、これまで50人規模で求人を出していたおのが、賃金が上がることによって、半分くらいに求人を抑えることが出来た。言い換えると、日本の場合には「とりあえず会社に入ってもらって」という形で、条件を非常に緩くして人を集めて、教育して戦力化していこう、という考え方が主にあるわけなのですが、「自分たちが欲しい人材をピンポイントで集めよう」という特色が強まってくれば、教育のための投資は不要になりますので、会社として、あるいは経済全体として生産性が向上する。こういう芽が見え始めているのかな、と思っています。

内田
非常に合理的な考え方に変わって来ているわけですね。一見、求人はたくさん応募があった方が喜ぶ。それをハローワークであるとか、求人の会社も売りにするわけですよね?そうではないのだと?

新瀧
そういう考え方を変えていかなければいけない。人手不足を乗り切るためには、変えていかないと。労働力人口が減ることは、これまでの少子化の流れから避け難い事実なので、これまでと同じ常識だと、恐らく乗り切れない会社が多くなると思います。実際、ファミレスで去年のニュースですと、24時間営業をやめるとか、そういう形で人手不足を、自社の売り上げの減少を甘んじて受け入れることによって乗り切る、という選択をする企業もあれば、先ほど申し上げた様に、ピンポイントで必要な人材を、高い賃金をオファーすることによって確保していこう、という様な流れが広がるという「二極化」が出てくると思うのですね。おそらく後者の方がこれからの経済を引っ張ってくれる会社になるのかな、という風に思っています。

内田
経済が活性化していく上で、重要になるのが「個人消費」ということで、これをいかに促すか、ということになると思うのですけども。

新瀧
この10年くらいを振り返ると、安いものに消費者が飛びついて行く、という流れがあったと思うのですが、それだとデフレを脱却することは難しいです。自分の賃金が上がったならば、いいものに対しては更にお金を払っていく、という流れが生まれませんと、デフレから脱却できないです。そういう意味では、質の高いサービスが選択肢として我々の目の前にどれくらい広がってくれるか。これが2017年、広がるのではないかな、という風に思っています。

内田
皆が世の中の流れで、財布の紐をギュッと絞ってしまうのは、将来不安であるとか、お金を貯めないと、という何か漠然とした将来に対する不安みたいなものがあると思うのですよね。そういったものも一つ取り払って、ちょっとお金使ってもいいかな、というマインドを作らないといけないと思うのですけども、ここはどういう手立てがあると思いますか?

新瀧
やはり気持ちの切り替えというか、今、僅かながらでも賃金が増えている人が広がっている。その時期に、気持ちの切り替え、100%節約志向ではなくて、節約は8割に抑えて、残る2割は、少し高いものでも自分が納得したものにはお金を使う、といったところがどれだけ広がるかがポイントだと思います。例えば、観光とか消費周りでは、ここ数年インバウンド、外国人観光客の爆買いによって引っ張られていた面が強いのですけども、ここに日本人がどのくらい参入していけるのか。そういう意味で、注目は箱根のホテル。昨年の末に、「ザ・ひらまつ ホテル&リゾーツ」という高級ホテルが仙石原にオープンしました。また、今年の春は箱根小涌園の高級ホテルがオープンしますし、金谷ホテルも今年の夏に高級ホテルをオープンします。そういったところが、外国人ばかりになるのか、日本人もかなりいるのか、どちらになるか。そういう意味では2017年、分水嶺に立っているのかな、という風に思います。

内田
日本人がしっかりいいものにきちんとお金を使っていく、という文化を取り戻したい、という風に個人的には思うのですけども、企業が一生懸命お給料を上げていこうという流れで、アベノミクスもそれを言っているわけですね。トリクルダウンを狙って、ということで。

新瀧
そうですね。

内田
それが途切れてしまうと、少し厳しいと私は思うのですね。去年は決算が悪かった、という流れを巻き返し出来るかというところにかかっていると思うのですけれども。この企業業績、更には、更なるお給料アップ、ボーナスアップ、というところに繋がってほしいと。

新瀧
いやそうですね、そういう意味ではこの3月の春闘賃上げ。僅かであっても、給料が上がる企業がこの数年と同じ様に広がって欲しい。そうでないと、今までの積み上げてきた流れというのが無になってしまうと言ったら大袈裟なのですけれども。

内田
いろいろお話を伺ってきましたけれども、2017年、神奈川経済はどういうものになりますか?

新瀧
2020年以降に向けて、スタートの年だという風に考えています。2020年東京オリンピックまでは、景気はプラス成長を続けるという風に見られています。ただ、その後はどうなるか分からない、という風におっしゃる社長さんが神奈川でも非常に多いです。その後の経済成長を続けるためには、やはりいいものにはお金を使う、という様な人が増えて、神奈川県内、あるいは日本全体の中でお金をもっと太く回していく、という流れが経済成長をしっかりさせる。もう一つは、労働生産性の向上です。やはり働き方を変えることによって労働生産性が向上すれば、人が減っていく中でも経済が規模的に大きくなる。そういう意味では、2017年が2020年以降、しっかりと経済成長が続くためのスタートの年。意識を変えていかなければいけない年だという風に思います。

内田
余力がある内にやれることをしっかりやる。でも人口が減少していく中で、経済成長していくということは、非常にチャレンジングですし、海外でもなかなかないことに、日本が成功できるか、という意味では、大事なスタートの年になっていくということですね。

新瀧
そう思いますね。

内田
ありがとうございました。



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1月23日の放送内容

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