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神奈川ビジネスUp To Date

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番組内容

いまの神奈川経済がわかる!
全国の上場企業1800社中、約200社が本社を置く神奈川県。
県内唯一の地上波テレビ局tvkが県内で活動する企業を中心に各企業の魅力的な取り組みやトップインタビューなどの経済情報をお届けします。

出演

内田裕子(経済ジャーナリスト)

内田裕子(うちだゆうこ)プロフィール
大学卒業後、大和証券入社。社内TV放送のキャスターに抜擢されマーケット情報や経営者との対談番組に多く出演。
2000年、財部誠一事務所に移籍し経済ジャーナリストとして活動開始。
国内だけでなく新興国などの取材も多く、製造現場の取材、経営者へのインタビューを得意とする。

6月20日放送分
「アイディアと技術力で挑む〜新しいものづくりのカタチ」

ゲスト
横株式会社ニットー
代表取締役 藤澤秀行さん


【プロフィール】
1973年横浜市出身
横浜国立大学工学部卒業後、日本発条を経て1997年にニットー入社
2006年代表取締役に就任


横浜で金属加工・金型製作を手がける「ニットー」を特集。工程ごとの分業が多数を占める製造業において、設計から量産までを担う一貫生産で躍進を続けるニットー。同社を形づくったM&A成功のポイントとなった「企業理念」や、現在注力する自社製品の開発について伺います。

内田
中小企業の製造業というと、どうしても分業というイメージが強いのですが、ニットーは一貫でものづくりができる。これはやはり特殊なことなんですか?

藤澤
そうですね、まだまだ日本の中では一貫生産というのは少ないと思われます。

内田
それができるようになった理由がM&Aであったと。

藤澤
ちょうど2004年、12年前ですね。その当時、今でも多いのですが、製造業で後継者がいないとう会社があって、そこで会社を解散してしまえばいいのですが、その会社自身が借金もあったので解散することもできないという状況でした。

内田
やめるにやめられないと。

藤澤
それでニットーに相談があって、その時私は専務で父が社長でした。それで引き継いでくれないかという話があって、父は知り合いからの頼まれごとに対しては「じゃあやろう」という意気込みの方なので、その会社を引き受けようということがM&A、会社を一緒に経営するきっかけでした。

内田
その時に専務でいらした藤澤社長はどう感じていましたか。

藤澤
私が今後会社を引き継ぐという立場にあったので、なんで借金のある会社を引き受けるのかと、最初は反対でした。

内田
そうですよね。引き受けた側はそう簡単ではないわけですよね。

藤澤
でもニットーにとってメリットがあったんです。それまで金型メーカーとしてずっとやってきて、プレス加工とか部品加工、機械加工など少しずつ事業の幅を広げていこうという時だったんです。一緒になったことで、ニットーの技術の幅が一気に広がったんですね。

内田
(ニットーが)持っていない技術を持っていた?

藤澤
通常そういう技術を獲得しようとした場合、例えば設備を買って、人を雇い、そこで技術を鍛錬して、その技術に見合ったお客さんを見つけてきて初めて事業として成立しますが、M&Aによってすぐにその全てを獲得することができました。それでニットーの新しい販路として金型を提案したり、機械加工を提案することができたので、販路も広がりました。

内田
引き受けた借金は、思っていた以上に早く無くなったんですか?

藤澤
そうですね、仕事が回っていって相乗効果で借金も早く返すことができました。もう一つ、技術を残すことは大事だなと思いました。日本には資源が無い中で、「ものづくりの技術」というのは日本にとって大切な資源だと思います。それをニットーが引き継いで、どんどん若い世代に引き継いでいくことも大事な仕事かなとも思います。

内田
製造業としての責任感とか心意気、情熱というところで、一緒になってシナジーを生み出すというのはどうだったんですか?

藤澤
ちょうど6年前に大きな土地を買って4社(2004年以降,M&Aで3社を買収)を集約して工場として、一つ屋根の下でやっていこうということになったんですけど、そこでトラブルというか大変なことがありました。今まではそれぞれの屋根の下で自分のスタイルでやってきて、一箇所になるとそれぞれの会社自身は、良い悪いじゃなくて多少文化が違うのでどうしても人と人との摩擦というかストレスがありました。

内田
どっちが悪いとか、間違っていることではない、だから難しい。

藤澤
一つ一つで見ると正しい、でも全体で見るとちょっとチグハグな状況があったと。


異なる技術・文化の中で仕事をしてきた従業員を一つにまとめるため、会社を再構築するという決意のもと、社員が一丸となって「企業理念」を策定。毎朝の唱和も自主的に始まったと言います。

藤澤
従業員と一緒に、まず最初は「自分たちは何のために生きているのか」と。

内田
生きているかと。

藤澤
「生きているのか」から始めて自分たちはどういうことをしたら幸せなのかという観点から意見交換をして、生活とか、自分たちの人生の幸せとは何かというところから落とし込んで、そこで働くニットーはどういう目的で進んでいくか、ニットーの存在意義は何かというところで皆で話し合って、半年かけて企業理念をもう一度作り直しました。

内田
その中でいろいろな意見が出たと思うんです。何のために生きているんだ、何のために働いているんだという時に、どんなぶつかり合いがありましたか?

藤澤
職人肌の人は技術を高めたい、また仕事は生活のためにやっているから、それなりに給料もらえて時間を持ちたいという人もいるわけです。お互いを理解し合いながら、会社の向かうべき道を企業理念として決めていきました。

内田
その企業理念ができました。バラバラであった皆の見ている方向、ベクトルが一致していった。それは見るからにわかる変化だったんですか。

藤澤
できたらからすぐ、というわけにはいかないです。でも方向性として「まとまる」というのはこういうことなんだなと、ということが分かって私自身もすごい勉強になりました。

内田
皆で企業理念を決めるという作業は、ある意味M&Aを成功させる一つのポイントでもあるわけですね。

藤澤
ポイントですね、はい。

内田
で、ようやく固まって決まったと。

藤澤
そこでもう一つ、転機というか気付いたことがありました。工場を集約して、工場見学してもらうと、「あれニットーさんは金型屋さんだと思っていたのに機械加工もできるの」とか、「機械加工屋さんだと思っていたけどプレス加工もやるんだ」ということで「それだったらもっとこういう仕事も頼んだのに」と言われたんです。

内田
逆にお客様から。

藤澤
そこではたと思って。ニットーが技術を持っていても、それをお客さんにアピールしていないと、せっかくの技術も持っていないのと一緒だなと思ったんです。培ってきたいい技術をもっといろんな人に知ってもらわなければいけないということで、私自身マーケティングの勉強をしたり、どんな会社であるかをいろいろな人に知ってもらうために情報発信をしていこうということをやっていきました。

内田
本当におっしゃる通りですよね。ものづくりの会社に何が足りないかというのは、自分たちの技術を発信する能力ですよね。でも社長自らがマーケティングを勉強された。それでトップセールスもされているというのは、すごいことなんだろうと思います。皆やりたくてもできない。

藤澤
この会社をなんとかしなきゃいけないという危機感と、せっかく皆一緒になったのに仕事が来ないんじゃどうするんだと。藁をも…ではないですが、自分の中で何かしなければいけないということからそういうことをやりだしたんです。


現在ニットーが力を注ぐ「自社製品」の開発。現在開発を進めている製品がウェアラブルチェア「アルケリス」。藤澤社長自らも千葉大学の特別研究員として企画・製造をリード。板を複雑に曲げる板金や、部品の精密加工や組み立て、金型など、ニットーが培ってきた技術力とアイディアが詰まった製品です。

内田
アルケリスはまだ開発中なんですね。

藤澤
はい、製品化までもう少し時間がかかります。

内田
これは最終的にはどういうものになるんですか。

藤澤
まずは医療向けということで製品化をして、実際にお医者さんの立ち仕事を楽にするということを実現したいです。そしてお医者さん向けだけでなく、いろいろな発展というか他にも用途として使えるところがあります。例えば製造現場とか農業とかですね、立ち仕事をするのを楽にするということで、そちらの方のバリエーションも増やしてですね、 この「アルケリス」、ウェアラブルチェアの仕組みを使っていろいろなことの手助けができればと思っています。

内田
いろいろ発展した姿がイメージできるのでぜひ実用化してほしいですが、自社製品を作っていくという流れがニットーの中に起こっている。この自社製品を作るメリットというのはどういうところにありますか。

藤澤
一貫生産をどういう風に伝えるかというときに、自分たちで製品企画をして製品化すればよりわかりやすいんじゃないかと。

内田
なるほど。その自社製品を作り、自分の会社はこんなものも作れます、それは一貫生産だからですよ、ということで、お客さんは随分変わりましたか?

藤澤
変わりましたね。自社製品をやると、まずその製品を欲しいというお客さんが集まってきて、その製品を買ってくれる。次に、自社製品をやっていく中で必ず「ニットーが作っている」という説明をするんです。そうすることによって製品は必要ないけれどそういう技術は欲しいというお客さんが結構いるんです。それを見てくれて別の開発案件が来たりとか、そういうことで仕事も広がりました。

内田
社員の方達はずっと分業でやられてきた世界の中で、ある意味どこの仕事もできるようになってきているという方向なんですか?

藤澤
そうですね。「多能工」というのがうちの教育方針としてあって、例えば設計の人が実際に加工をしたり、量産加工する人が試作を作ったりというのをわざとやれるように、会社としても推奨してやってもらっています。そうするといろいろな工程がある中で、いろいろな知識も身に付けられて、会社の中に先輩のエキスパートがいる中で勉強になるわけです。あとは仕事がこっちが忙しいけどこっちは暇という時に、移動してやれるという大きなメリットがあって、いろいろなことに対応できるようにスキルを上げていく。そしてスキルを上げるということは、会社もそうだと思っていて、会社としてもこれしかできないという会社はどうしても厳しくて、これもできるし、あれもできる。ニットーが得意ではなくても知っている技術であれば協力企業にお願いするときにも意思疎通がしやすいんです。そういった意味では会社自身もいろいろなことに固定観念なくチャレンジしていこうという体制です。

内田
これから何年も会社をつないでいくという意味では、どんな会社にしていきたいですか。未来の姿として。

藤澤
まずは一つ働いている人たちが楽しいというか、誇りを持てる職場にしたいと。あとはものづくりですね、ものづくりの楽しさを伝えていきたいという中では自社製品をより一層作っていきたいと思います。

内田
例えば次の自社製品というのはどんなアイディアがありますか。

藤澤
まだここでは言えない。内緒ですけど、いわゆるIoTのものですとか、あと今回はウェアラブルチェアですけど、身に付けるものですとか。こうじゃなきゃいけないという固定概念をなくして、柔軟な発想の中でやっていくとまた新しいアイディアとか、ヒット商品につながるかなと思っています。



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7月4日の放送内容

「地銀再編と新頭取の誕生 これからの地域密着型金融」
神奈川経済の“今”を分かりやすく伝える経済番組。今週は神奈川経済を支える地方銀行「横浜銀行」を特集。金融情勢の変化や東日本銀行との経営統合を経て迎える大きな転換期。地域経済発展のために期待される地域密着型金融の役割とは。同行で初めてプロパーとしてトップに就任した川村健一頭取に未来の姿を聞く。ビジネスのヒゲでは、子どもでも簡単に作れるプラネタリウム製作キットを販売する企業を紹介する。

バックナンバー

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