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神奈川ビジネスUp To Date

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放送時間

毎週月曜日 21時~21時30分
  土曜日 23時30分~24時(再放送)

番組内容

いまの神奈川経済がわかる!
全国の上場企業1800社中、約200社が本社を置く神奈川県。
県内唯一の地上波テレビ局tvkが県内で活動する企業を中心に各企業の魅力的な取り組みやトップインタビューなどの経済情報をお届けします。

出演

内 田 裕 子(経済ジャーナリスト)

■プロフィール
大学卒業後、大和証券入社。社内TV放送のキャスターに抜擢されマーケット情報や経営者との対談番組に多く出演。2000年、財部誠一事務所に移籍し経済ジャーナリストとして活動開始。国内だけでなく新興国などの取材も多く、製造現場の取材、経営者へのインタビューを得意とする。
著書に大西 洋氏(三越伊勢丹ホールディングス代表取締役社長執行役員)との共著「三越伊勢丹 モノづくりの哲学」(PHP新書)。

6月5日放送分
「大手に負けない地元スーパー 成長を続けてきた理由」

ゲスト
ヤオマサ株式会社
名誉会長 田嶋享さん


【プロフィール】
1935年 神奈川県小田原市出身
1954年 県立小田原城東高校卒業、有限会社八百政商店入社
1989年 ヤオマサ株式会社に社名変更、代表取締役社長就任
2003年 会長就任
2005年 名誉会長就任
2011年 株式会社報徳農場 代表取締役就任
2016年 報徳ワーカーズ 顧問就任


創業98年を迎えた小田原の老舗スーパーマーケット・ヤオマサ。大手スーパーに淘汰されず、時代の流れに乗り、着実に地元で成長を続けて来れた戦略とは一体何か、また積極的に取り組む地元貢献活動、2年後に迎える創業100周年に向けての企業理念について語る。

内田
ヤオマサさんは小田原で一番初めにスーパーマーケットを作ったということで、最初というのは、いろいろ苦労があったと思うのですけども。

田嶋
そうですね。当時はまだ、スーパーという言葉もなかったときですから、まあ、八百屋で少し食品を並べた程度だったのが最初でしたね。

内田
その八百屋さんから、スーパーをやろうと思ったのは何故だったのですか?

田嶋
商業界という雑誌が入りまして、その勉強会があったときに、これからは時代が変わってくる、総合的な商品を扱っていかなければ運営ができなくなってくると。自分もできないけども、築地まで魚を仕入れに行ったり、肉屋さんは肉の職人さんに来てもらってやってもらったり。それで段々と覚えていきながら直営で自分がやって、そして肉、魚も合わせてヤオマサの直営店になったのですね。それは大変でした。

内田
全くそういう流通がなかったものを、全て手作りで仕入れのルートを切り拓いていったということですね?

田嶋
おそらく私だけじゃなくして、最初にやる方はそういうご苦労をされて今日になっていると思います。あるお店のオープンのときは、八百屋さん、魚屋さん、皆さんが猛反対でした。夜の夜中までやる、年中無休なんてことは考えられないと。そんなことしたら、我々はもう生きていかれないと。

内田
お魚屋さん、お肉屋さんというのを、全部自分たちでやってしまうということは、大変な危機感を持ちますよね?

田嶋
でもお客さんにとってみれば、逆にそのことによって、自分たちの買い物がしやすいとか、そのお店は繁華街のところにありましたから、夜遅くになって買い物ができて大変うれしいとか、喜ばれることは多かったのですけども、そういう問題ありました。

内田
そういう便利なスーパーマーケットができ、地域の方は喜びましたけれども、なかなかご苦労があったと伺っています。

田嶋
例えば、青果物を青果市場で買うということは、なかなか困難になってしまいました。結局、八百屋さんの皆さんは、我々の営業妨害というか、約束と違うじゃないかと。

内田
もう夜までやりますし、土日ももちろん営業していた。それがスーパーマーケットですものね。なんでそんなことをするのだと?

田嶋
お客さんにとって一番大事なことは、好きなものを、食べたいものを、いつでも買えること。いつでも平等にものを売ってくださる、そういう平等の精神というものが絶対必要だということを、東京へ行ったり、いろいろなセミナーに行ってくると勉強していたので、それはそうだなと。

内田
スーパーマーケットというのは平等な精神なのですね?

田嶋
八百屋さんというのは、どちらかと言うと、「たくさん買ってくれれば安く売るよ」ということをしますけど、そんなことしたら統制がとれなくなりますから、基本的には価格は一定にして売っていくというような形が基本ですね。

内田
歴史を振り返ってみますと、地元のスーパーというものが起こって、その後、大店法(大規模小売店舗法)というものが起こって、チェーンストア、大手スーパーですよね、ナショナルブランドであるようなところが地域にどんどん参入してきてもいいと。これまで規制があって、地域の商店街なり、地元のスーパーが守られていたものが、そうじゃなくなったという時期があった。

田嶋
そうですね

内田
そこでかなりの地元店舗であるとか、スーパーが競争に負けていった、淘汰されたという歴史があると思うのですけれども、その中で何故ヤオマサは生き残れたのか?

田嶋
人に譲るという、「報徳」の教えですね。自分が思っていることを言っているのでは、折り合いがうまくいかない。経営者という立場でいけば「この品物はこの値段で売りましょう」「こういうような販売促進をしましょう」「こういう形でお客さんに喜んでもらおう」という経営者としての考え方があるのですが、従業員の立場からいくと、そんな無理なこと言われたって、私たちは人間として、出来ること出来ないことがあると。出来ない方法を考えてぶつけられるから、そうすると、お互いうまく歩調が合わなくなってくる。 

内田
「販売をもうちょっと頑張ってほしい」という経営者の気持ちと、「そんなこと言われても売れないものは売れない」という、ある意味、諦めというか、何か?

田嶋
私たちが寄り添う気持ちで従業員に結びつくと、従業員は「よくわかったから、それはその通りやりましょう」ということになるのだけど、我々がそういう気持ちにならないときには、反対方向で動いていくのだということを、つくづく感じました。

内田
寄り添って理解しあえるというところで一番気を付けたところは何ですか?

田嶋
今年もヤオマサに14名の人が入ってくださっているのですけども、そういう人たちが喜んで働けるような職場を作れば、またその次の、来年も多くの人が来てくれる。幹部の人たちだけで物事を決めるのではなくて、その人たちがやりやすい仕事というのを作っていくことが大事だということを思いましたね。


新鮮な野菜をはじめ、地元の食材がズラリ。ヤオマサにしか揃わないものも店頭並びます。何故、地産地消にこだわるのか?引き続き、田嶋名誉会長に伺います。


内田
非常にお魚が新鮮で、本当に小田原のお魚が来ているとか、地産地消の、地域のお野菜を並べているとか、所々に「地元のスーパー、地域のスーパーとはこういうことか」という風に見たのですけども、こういう品揃えというのは?

田嶋
やはりバイヤー、言い換えれば仕入れ担当者がですね、他のお店には並んでいないものが最初にヤオマサは並ぶというような、そんな形で仕入れの担当者も苦労しているとは思うけど、やってくれていますね。

内田
地元の野菜、魚というものを仕入れるルートは独自のものとしてあるのですか?

田嶋
魚の場合でも網元というのがありまして、網を持ってきたときに情報を流していただいて、「今日はこういう魚が入りますよ」というと、そのキャッチしたものを、先に別個に仕入れていただいて、ヤオマサは受けるとか。そういう意味味では、仕入れ担当者の仕事というのは、かなりいろいろな勉強をしていると。

内田
いろいろなスーパーの競合がある中で、競争力を持つとなると、消費者はどうしても値段を見ますよね?価格競争力というのは?

田嶋
価格の競争力というのは、絶対競争しなければいけないのですけども、ただ安売りの商品を一生懸命探して売っていくと、そういうお客様にとっては大事ですけども、また安いお店ができればそっちへ行ってしまう。そのお店も大事だけれども、また明日に来てもらえる人は、やっぱり心のサービスがどれだけできているか。ただ安いから行くのではなくて、「あそこのお店に行ったら気持ちがいいから行きたいね」。そういった勉強会をしていますね。

内田
地元で愛されるスーパーということで、業績もすごく堅調ですね?非常に今小売が厳しい状態の中で、どう生き残っていくのかということは課題だと思うのですけど。

田嶋
「地産地消」というですね、農家の方や船内の方々といろいろな形でお互いに話し合いをして、一番収益を上げる方法は何かという、やはり季節のものを作って、良いものを作っていく。

内田
農家さんはどんどん少なくなり、担い手不足になって、こちらは野菜を置きたいのに作ってくれる人がいなくなるという状況が起こっている。これに対して、どういう動きをしていくか?

田嶋
こんな時代がくるだろうなと思っていましたので、私は「報徳の精神」を持った、報徳農場を作ったのですね。

内田
それは何年前ですか?

田嶋
今から30年くらい前です。


報徳農場は、農業と福祉が連動した農福連携企業として、生活困窮者や引きこもりなど、働きたい人の受け皿としての役割を担い、実際に収穫した野菜はヤオマサでも販売されています。また、養護学校や保育園、小学校で積極的に農業体験を行ない、農業ファンを増やし、地産地消につながる活動を行うことで、信頼を得る企業へと成長してきました。


内田
職業する場を提供していると?

田嶋
農業を通して、2、3か月経つと新しい職場に移る。そういう人たちの職場というか生きがいに、農業を通して自然を相手に、そして自分たちが今までなかなか外に出られなかったというか、外で仕事ができない人の、新しい仕事になるのかなと、そういうチャンスだと思っています。

内田
何人かは、農業が気に入ってそのまま農業をやろうという風に思ってくださるかもしれません。

田嶋
事実、そういった形で農業に入っている人もいるし、職場を辞めたのだけど、自然の中でもう一度考え直して、新しいところで仕事、自立支援をそういう形で、これは私どもだけじゃなくて、全国的にそういう仕組みを活用してやっている人が大勢いるとは思います。

内田
本業を使った社会貢献であり、それがもう少し広いところで役に立っていけば尚良しという形なのでしょうね。まだまだ、この農業を通じた社会貢献というのは、おやりになっていきますか?

田嶋
これからも、もっとやっていきたいと思っていますけどね。

内田
ずっと心の中にあった「報徳の精神」というものを、農業を通じて社会貢献しているという、「困った方たちの受け皿になったらいい」という思いと「農業がどんどん小田原で衰退していくのを何とか歯止めをかけたい」という、両方の思いが合致した活動として行っていると見えるのですけども。

田嶋
これは私どものヤオマサがどうこうなのではなく、量販店全体が地産地消と言いながら、その品物をどういう形で供給するかということが問題だと思うのです。それにはやはり、そういうような仕組みを作って、「小さい農家の方々がやめていく、だったら大きい農家の方々をもっと増やすにはどうするか」。そうすると仲間を作っていくしかないのですね。

内田
この農業、野菜作りというのは、まだまだこれから拡大していく?

田嶋
そうですね、地域にもっと広げていきながら、是非、できるだけ小田原の野菜で小田原の人たちが満足できるような、そんな形にしていきたいと、こう思っています。

内田
あと2年で100周年ですね。 100年同じ地域で、ずっと同じ事業をやり続けるというのは大変なことだと思います。素晴らしいと思うのですけれども、当然100年では終わらず、110年、120年、150年とヤオマサを続けていくために、何をしなければいけないと思いますか?

田嶋
やはり「信頼」ということが一番。信頼があれば何とか、「あの人は生かしてあげよう、ヤオマサを何とか助けてあげよう」ということがあるけども、信頼がなくなれば、「ああいうお店は要らないよ」と。いくら私がやりたくてもできないと思うのです。だから信頼を得るためにどうするかということですね。

内田
具体的な行動であるとか、その表現というのは、どういうものになってきますか?

田嶋
「報徳精神」というか、二宮金次郎の話をする人は大勢いますけど、二宮金次郎さんは「実践」なんですね。現場を見て、現物を知ることが大事だと。「自分たちがやらなければいけないんだ」という、そういう気持ちを持っています。

内田
実際、本当にある意味泥だらけになって、田んぼや畑に入られていますものね。現場に行くと自分もやってみるっていうことを?

田嶋
ヤオマサがあるからどうこうではなくて、自分たちが作った野菜を自分たちが安心して食べられるようにと。私は、あと100年、ということより、10年先を見て小田原のことを予想すると、人口は減ってくる、機械化しなきゃいけない、農業もこれでいいのか、ということを考えています。

内田
そういうコツコツとした地域の子どもたちに向けての農業ファンづくりであるとか、地産地消の野菜というものを理解してもらうことによって、農家、農業というものに携わってくれれば嬉しいですし、地産地消のおいしい野菜が食べたいと思ったら、「ヤオマサにあるよ」というところまでつながっていくと、こんな良いことはないですよね。




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6月26日の放送内容

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