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神奈川ビジネスUp To Date

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放送時間変更のお知らせ

毎週月曜日 21時~21時30分
  土曜日 23時~23時30分(再放送)

*4月から放送時間が変わりました

番組内容

いまの神奈川経済がわかる!
全国の上場企業1800社中、約200社が本社を置く神奈川県。
県内唯一の地上波テレビ局tvkが県内で活動する企業を中心に各企業の魅力的な取り組みやトップインタビューなどの経済情報をお届けします。

出演

内 田 裕 子(経済ジャーナリスト)

■プロフィール
大学卒業後、大和証券入社。社内TV放送のキャスターに抜擢されマーケット情報や経営者との対談番組に多く出演。
2000年、財部誠一事務所に移籍し経済ジャーナリストとして活動開始。
国内だけでなく新興国などの取材も多く、製造現場の取材、経営者へのインタビューを得意とする。

9月5日放送分
「独自の栽培法とビジネスモデルで若者の就農を支援する農業ベンチャー」

ゲスト
seak株式会社 代表 栗田紘さん


【プロフィール】
1983年 横浜市出身
2006年 東京工業大学卒 電通入社
2012年 パーソナルモビリティを手がけるWHILL社COO就任後、アーキタイプを経て、2014年にseakを設立、2015年藤沢市で就農


藤沢市で、トマトなどの野菜生産を行うseak(シーク)株式会社。独自の栽培方法で高品質の野菜を作り、そのノウハウを広め、チームで生産を行う事で新規就農支援を目指す「農業ベンチャー」企業です。

内田
栗田さんは大手広告代理店にいらして、その流れでベンチャー企業の立ち上げというものにも関わり、そして今、農業というビジネスに注力されているという、非常にユニークな経歴を持たれているのですけど、これはどういう様な気持ちの変化の中でこういう事になってきているのですか?

栗田
大手広告代理店はクライアントの広告作業をサポートする仕事で、ベンチャー企業も元々エンジニアとデザイナー、物作りのチームがあったところに僕はビジネス要員としてサポートで入るという形でキャリアを積んできて、元々ゼロからイチを作っていくという事に対する本能的な憧れとか、ある種の羨ましさとかがあって、それをいつか仕事としてやりたいなという気持ちを強くしてきて今に至っていて。そこで身近な父親であったり、一緒にseakをやっている人間が病気になったりとか、体を壊したりという中で、その身近な人の健康とか食みたいな事に対するじぶん自分ごとの課題みたいなものが出てきて、そこでゼロからイチを作る、ちょっと健康に対して寄与できる様な、そういう仕事を出来ないか、という思いを強くして、そこで農業というテーマに出会ったというのが今までのキャリアの流れになります。

内田
その中に色々な人との出会いであるとか、経験であるとか、成功・失敗というものもありながら今に至っていると思うのですけど、「よし、じゃあ次は農業なんだ」「自分がやるべきものは農業なんだ」、というところで確信を持ったというのは何だったのですか?

栗田
やはり、人の役に明確に立つものをやる、という事のやりがいとか、素敵さというのはすごい感じたんですね。新聞を開くと毎日の様に載る課題みたいな事があるじゃないですか、高齢化であるとか医療とか。その中に、やはり「農業」というキーワードが常にあって、それで農業という事はやりがいとかやることの意義という意味でのマーケットの伸び力がすごくあった、というのが大きく一個(の理由として)ありました。

内田
社会の様々な問題、解決すべき問題というのが山積している中で「これは農業が大変なことになる」という部分というのは、どういうところだったのですか?

栗田
やはり一番は高齢化している、農業従事者がとにかくお年寄りの方がいっぱいになっていく、それで若者が入らない。なので、農業従事者の平均年齢は上がっていくという…

内田
どんどん少なくなっていますよね。就農人口も。

栗田
その就農人口が減少していくと当然、国というか、日本として生産していく、いわゆる能力というか人手が減っていくので、それで今後良いものを食べ続けていく事に対する漠然とした危機感みたいなものが、僕は感じとった事ではあったんです。

内田
栗田さんは農業をちょっともやったことがなかったと思うんですね。どうでした?農業をやってみて。

栗田
とにかく難しい、大変、もう苦労が絶えない、という事を実感しました。農業を始める事を就農と農業界隈では呼ぶのですけど、まずその「準備」をして、「場所」を見つけて、必要であれば「施設」を建てて、「育てて」、「売る」と。農業をやっていくプロセスは大きく5つのステップがあるのですけど、とにかくそれが全部大変なんです。やはり準備も、農地を合法的に借りるために自治体から認定というものを受けて正式に農家になって、というのが必要なのですけど、その農家の認定を受けるために、大体1年から2年間くらい研修をしなけければいけない、というのが要件として決まっていると。

内田
それをやったんですか?

栗田
やりました。それで認定を受けて、じゃあ、いざやる場所を見つけようとしてもなかなか、やはり既存農家さんがいらっしゃって農地が見つからない。あっても自治体さんからご紹介いただくのは耕作放棄地であると。なので、土作りがされていないのでなかなか環境が劣悪であると。

内田
そこで、こんなにやってみたけどこんなに大変だから、もう止めよう、とは思わなかった?

栗田
逆にそれでやってみて、改善の余地が沢山あるという事に気付いたんです。農業界隈の大きな特徴が、実際に農家として若造として入ると、そこで色んな人が味方になってくれるという、すごく素晴らしい部分があって。僕らは戦略的に農家の認定を取って、農業エリアにお邪魔しているのですけど、それによって一気に色んな事がうまく進んでいく事も分かったので。逆に、僕らが苦労した事を、次の農業を始める方々が苦労しない様な仕組みとか手段というのがないか、という発想にどんどんなっていきました。

内田
じゃあ、苦労は良かったと?

栗田
そうですね。やっぱり苦労がないといい事は生まれていかないと思っているので、はい。


seakの野菜作りは、袋に入れた独自配合の土に直接苗を植え、農業で重要とされる「畑での土作り」を行わない、「袋栽培」という方法。就農から生産開始までの期間を大幅に短縮しました。

内田
土を外から持ってくる、その持ってくる「外の土」というのがミソになると思うんですよね。これはどういう試行錯誤があったんですか?

栗田
僕らは独自の土を使っていて、僕らのパートナーのベテラン農家さんのところで独自の土を配合してもらっているんですけど、独自の土の品質さえ良ければ良い野菜ができるかというと、それは「No」なんです。土が当然ベースになるものの、そこにどういう水を与えていくか、どういう肥料にしていくか、そこで植物が健康に育っていくためにはどういう工夫をしていくか、植物が健康になる理由とかメカニズムとはどういう事なんだ、という事も全部紐解いて理解して、その上で栽培を設計していかなければいけないので、必ずしも僕らとしては土作りをしなくても、土作りを違う方法でしていく事の手段というのをずっと試行錯誤して開拓・開発してきた、という経緯なんです。

内田
でも色々な野菜がある中で、「まずトマトなんだ」と。この「トマト」に目をつけられた、というのは何故ですか?

栗田
(理由は)二点あって、まず一つは人気があるというか、売り場で並んでいる数、面積もトマトはズラッと色んな品種が並んでいたりするので、やはりお客様としても求めている事が多いのだろう、というのがまず一個です。もう一個は、トマトは育てるのが難しいと言われていて、本当に色んなトラブルもすぐ、病気も虫も起きる中で、そこで良い栽培を実現出来ていけば、他の実がなる野菜にもすぐに展開していけるだろうという感覚があったので、それでまずトマトで徹底的に失敗をして、苦しんで、そこで良い形ができたら人を増やしていく、作物を増やしていく、という流れを作っていきたい。その二つが理由でした。

内田
一番難しいところからやれば、あとは簡単だと。そこは克服されつつある訳ですね。

栗田
ようやく、そうですね。

内田
あとは出来た野菜、美味しく出来た野菜をどこに売るか。この販路の部分という事をしっかりと作ってあげなければいけない事だと思うのですけど。

栗田
チームでやっているが故に、生産の量であるとか、品質、品種、野菜の種類というのは幅広く出来てくるという中でいくと、個人で販路、小売の方々と交渉して、というのはなかなか難しいですね。量とか種類とかという部分で。それをチームで一括して、その小売の方々とご相談する事によって、それを小売の方に喜んでいただける余地は十分にあるだろう、というのが一つあります。あと、元々僕が広告代理店にいたので、いわゆるマーケティングであるとか、そのお客様にどういう切り口で訴求していくべきなのか、というところは相談できる仲間もいっぱいいるので、そこを、今後の農業を始めていく人に対しては、チームとして価値提供していけるんじゃないかと考えています。

内田
栗田さんがお考えになっている、農業というものをとらえたビジネスモデルですよね。「これで、これから会社がどんどん成長していくんだ」、更に「日本の農業の様々な問題も同時に解決していくんだ」、そうすると、「農家さんを増やしたい」、「seakの仲間になって一緒にこの袋栽培でトマトを作っていこうよ」、「自分たちサポートするよ」と呼びかけていくとなると、一つの責任も生じてくると思うんです。この辺りのseakと一緒にやるパートナーといいますか、ある意味フランチャイズですよね。農業のフランチャイズ化というもので間違いないですか?

栗田
はい、そうですね。

内田
これのビジネスモデルというのは、どんなものになっていくのですか?

栗田
僕らの会社のミッションとして「農業ど素人の人がいきなり農業で活躍できる仕組みを作る」事、この仕組み作りというものをトータルで作っていく、というのが僕らの会社としてやりたい事なんです。その仕組みを、今回LEAP(リープ)というサービス名で世の中に訴求していく事になるのですけど、冒頭に申し上げた、5つの農業を始めていく事に対する課題というものを、全部解決していく仕組みをLEAPは目指す。LEAPを使っていく、seakの仲間になる、seakのサービスを使う、という事で、新しく農業を始めるハードルが全部なくなっていく、そういう事業を目指しています。

内田
これは本当に独自のものですか?このモデルで農業を若い人たちにどんどんやってもらおうというような、ライバル会社であるとか、似た様なビジネスモデルというのは今のところ無い訳ですか?

栗田
準備、農地を見つけるところから販売をするというところまで、いわゆる垂直統合でサポート・サービス提供をしていくという会社さんは(他に)ないかと。いわゆる「八百屋2.0」みたいな、販売をとにかく新しくITを使ってやっていく会社さんであるとか、土地を活用していく会社さんは本当にあって、そういう農業ベンチャーさんが農業界隈を盛り上げていかれているんですけど、やはり生産をやっていく・・本当に一番辛いところですよね、生産をやっていく農業ベンチャーさんはなかなか無くて、逆にそこがいわゆるブルーオーシャンになっているので、僕らとしてはチャンスじゃないかなと考えています。


農家の高齢化や若手の減少など、担い手不足が進む日本の農業。そうした中、新たな人材として、「若者の新規就農支援」が求められています。来年の4月から、seakに入社予定の大学4年生の女性二人に、seakへの入社を希望した理由を伺いました。

内田
非常に若い人が農業に興味があって・・というVTRで、あえて聞くんですけど、本当に若い世代、「農業ど素人」の人たちが、農業をやりたい、という風に思っている潜在人口といいますか、いるんですか?

栗田
農業そのものが持っている魅力がいくつかあるのですけど、やはり自然環境に囲まれながら仕事ができるという事に対する、コンクリートジャングルでなく、自然が見えるところで仕事をする事のちょっとした憧れとか、実際に食べてもらうものを作るという事で、人々の健康とか食というものに対してかなり直接的に貢献が出来るという意味での、そういったところに農業の魅力を感じている若い世代の人というのは結構いると思っています。例えば農業特化型の採用イベントがあるんです。そこで農業に漠然とした興味がある人とか、本当に農業をやりたいか迷っているけど、ちょっと話聞いてみようかなと。そういうところにブースを出して、実際に僕らがやっている事を説明して、そこである種、目が輝くかどうか、という事をずっと試験的にやってきたのですけど、やはり得てして皆さん、農業に対する本能的な憧れはあると。でも本当にいっぱい課題があるから諦める、それで農業に近い職とかに諦めて違う仕事に就く、という事をおっしゃっている方がいたので、そういう意味では僕らとしては農業をやりたい人の顔は見えている状態なので、そういう人たちに対して僕らとしては価値を提供していこうとしています。

内田
そういう中で、最初は「袋栽培だよ、こういう風にやってね」というマニュアルでスタートさせる。でも、農家として成長していくと、「ちょっと袋栽培ではないものもやってみたい」という、独自の進化というのをどんどん遂げていくと思うんです。

栗田
おっしゃる通りですね。ベンチャー企業としては常に「研究開発をどういう風にやっていくか」がすごく大事で、その新しく農業を始めた元々ど素人のメンバーが、こういう新しい事に取り組んでみたいと(なれば)、そこがある種、僕らとしては研究開発になっていく訳ですよね。なので、そういった要望とかモチベーションとか意欲というものに、僕らはどんどん投資をしていくべきだと思いますし、それは今後、僕らのチームのノウハウであるとか武器(として)帰ってくるので、それは非常にいい形なのだろうと思います。今メインでトマトのノウハウを磨いていますけど、既にピーマンとかナスとか違う野菜もできると。多分次は果物がある、最終的に米がある、となっていく余地は大いにあるだろうと。それで、袋栽培だけじゃなくて直接畑に植えるという事は本当に出来ないのかというと、絶対出来るので、じゃあそれをどういう風にやっていくのかという事は、「やりたい」と言ったメンバーに対しては是非やってもらいたいと思います。

内田
そこはどんどん多様化・・作り方は多様化していって、広がりが出てくると。そういうもの全てに対して理解が出来るように、<栗田さん自身も農業のプロとして、知識というものを深めていかないと…

栗田
常に勉強していかないといけないですね。

内田
それは大変ですか?面白いですか?

栗田
それは面白いですね。メインでトマトをやっていたものから、違う野菜を育ててみた時もすごく面白かったですし。やはりベンチャー企業として進歩している実感が得られるというものもあるので、そこの前進している感覚というのはすごく面白いし、ワクワクするなと思いますね。



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特徴ある製品・サービスを紹介
「ビジネスのヒゲ」

再生・細胞医療産業の拠点施設「ライフイノベーションセンター」
(川崎市殿町地区)

10月3日の放送内容

横浜生まれのオフィス家具メーカー
神奈川経済の“今”を分かりやすく伝える経済番組。 今週は、オフィス家具のトップメーカー・「岡村製作所」を紹介します。1945年、横浜市磯子区岡村町で創業した岡村製作所。現在は、オフィス家具のみならず店舗什器や物流システムでも高い評価を受けている岡村製作所の中村雅行社長に「ものづくりへの考え方」や「オフィス空間への提案」、「今後の展開」などについて伺います。また、またビジネスのヒゲでは、これまでにない取り組みを行う郵便局を紹介します。

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