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神奈川ビジネスUp To Date

神奈川ビジネスUp To Date

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放送時間

毎週月曜日 21時~21時30分
  土曜日 23時~23時30分(再放送)

番組内容

いまの神奈川経済がわかる!
全国の上場企業1800社中、約200社が本社を置く神奈川県。
県内唯一の地上波テレビ局tvkが県内で活動する企業を中心に各企業の魅力的な取り組みやトップインタビューなどの経済情報をお届けします。

出演

内 田 裕 子(経済ジャーナリスト)

■プロフィール
大学卒業後、大和証券入社。社内TV放送のキャスターに抜擢されマーケット情報や経営者との対談番組に多く出演。2000年、財部誠一事務所に移籍し経済ジャーナリストとして活動開始。国内だけでなく新興国などの取材も多く、製造現場の取材、経営者へのインタビューを得意とする。
著書に大西 洋氏(三越伊勢丹ホールディングス代表取締役社長執行役員)との共著「三越伊勢丹 モノづくりの哲学」(PHP新書)。

3月20日放送分
「劇団四季 ロングランを実現する独自の経営戦略」

ゲスト
四季株式会社
代表取締役社長 吉田智誉樹さん


【プロフィール】
1964年 横浜市出身。
1987年慶應義塾大学卒業、四季(劇団四季)入社。
東京・札幌・名古屋・大阪・福岡にて主に広報営業関連セクションを担当し、制作部広宣・ネットグループ長、取締役広報宣伝担当を経て、
2014年 代表取締役社長に就任。


横浜市青葉区に本社を置く「劇団四季」四季株式会社は、1953年、浅利慶太や日下武史など、10人で創立されました。劇団四季に関わっているスタッフは、およそ1200人。俳優・舞台を支える技術・経営のセクションで組織化され、全国8か所の専用劇場を中心に、年間3,000回以上の公演を行っています。昨年度の観客数は延べ316万人以上、売上高は約200億円という劇団四季。『ライオンキング』や『キャッツ』などの作品を始め、数々のロングラン公演達成など、これまでにない舞台を実現・提供してきました。

内田
劇団四季は1953年に設立されたということで、今年でもう64年目になるのですね。

吉田
はい。元々は慶応大学と東京大学の学生10名で始めた学生劇団です。それが今の、この様な。

内田
すごいですよね。日本を代表する劇団でありますし、世界的にも有名な企業になっている。私も実は高校生の頃から劇団四季が好きで、ずっと見てきたのですけれども。

吉田
そうですか。ありがとうございます。

内田
そういうことで、今日はいろいろと聞きたいことがいっぱいあるのですけども、よろしくお願いします。

吉田
よろしくお願いします。

内田
64年という中で続けてきて、どんどん成長してきています。これは、ずばり何がポイントだったのでしょうか?

吉田
やはり、舞台のクオリティではないでしょうか。お客様からお代金を頂戴して、舞台を見せてお帰りいただくわけです。ですから、そのお支払いになった分以上の感動を、劇場でお持ち帰りいただくということだと思うのです。それがお客様のお心の中で「そうなっていない」ということになれば、当然次はいらっしゃらないわけですから。この繰り返しなのではないかな、という気がします。

内田
その「クオリティ」というものを創り上げていく、お客様に認めてもらう、というためには何が必要なのですか?

吉田
それは、浅利(慶太)先生が、今でもおっしゃっていることですが、「演劇は文学の立体化なのだ」と。その優れた文学を、きちんと俳優がお客様に届ける。言葉を。これを徹底的にやることで、舞台の感動が生まれる、ということですね。

内田
「文学の立体化である」ということは「脚本である」ということですけれども、ミュージカルで言うと、「歌」「楽曲」というところが大きくあると思うのです。

吉田
ですから「台本」の感動に、今度は「音楽」の感動と、それから「ダンス」の感動が加わるわけですね。この3つが相まって、ご覧いただいたお客様が「ああ、今日も生きていて良かったな」と、形はともかくとして、人生讃歌がそこにあるかどうか、だと思いますね。

内田
世の中には様々なミュージカル作品、ミュージカルだけにとらわれず、様々な舞台の作品があります。その中で、「何をやるか」ということ、「何を劇団四季がやるべきなのか」というところの選択というのが、非常に重要になってくると思うのですけど。

吉田
今申し上げたことがあるかないかをきちんと見極める、ということですね。例えばそこが少し弱かったら、日本版を創るにあたって若干補強する、という様な作業をしております。こういう峻別作業を、海外のものを輸入する時には、本当に徹底的に皆で議論し合って、峻別してやっています。

内田
そこは皆さんで「どうするべきか」ということを議論する、吉田社長が「これだ」というのではない?

吉田
ええ。いろんな立場の意見がありますから、それを聞いて。例えば、ダンサーたちがいろいろな意見がありますよね。「このダンサーはこうだ」と。それからシンガーたちの意見もありますね。「この歌はこういうメンバーが必要で、今、そういう人が四季にいるかいないか」とかね。

内田
なるほど。

吉田
いろんな意見を聞いていきます。

内田
劇団四季というと、やはりアンドリュー・ロイド・ウェバーの作品というのがずっと繰り返しやられていて、もう一つはディズニー作品、というところが今、大きなポイントだと思うのですけど。

吉田
そうですね、その二つの柱ですね。

内田
劇団四季の「優位性」ですよね。いい作品をやれるのは何故かというのは、やはりこれまでの歴史、信頼関係?

吉田
そういう深い関係のプロダクションがある、ということと、あとは日本における興業のスキームですね。我々は北海道から九州まで劇場があって、1本の作品を輸入すると、東京だけで終わるということはまずないわけです。ほぼすべての公演が日本中を駆け巡っているわけですね。非常に大きなボリュームになる。ですから当然、上演著作権料をお支払いするわけですが、そのボリュームも東京や大阪だけでやるプロダクションに比べると大きなものになる、ということでしょうか。

内田
それが日本できちんとできるスキームを持っているのが「劇団四季」であると。

吉田
そうですね。ここまで全国の劇場展開をやってらっしゃるプロダクションはなかなかないのではないでしょうか。我々の強みはそこです。東京以外の地域でしっかり公演ができる、ということですね。

内田
やはり、いい作品がある、地域に専用の劇場がある。ここはもう、一体なのですね。それで、ロングランが自分たちで好きなだけできるという。

吉田
そうです、そういうことです。

内田
だから、劇団四季がこれだけしっかりと優位性を持っていい作品を届けられている、ということなのですね。

吉田
強みの一つだとは思いますね。もう一つは、やはり今日ここにお越しいただいていますけど、稽古場ですね。これは自前で持っていまして。ここで、俳優たちは好きなだけ稽古できるわけです。我々は、基礎訓練から演目の稽古まで、何から何まで自由にできるということですね。

内田
やはり、自前で全て持っている、ということが圧倒的な優位性になっている?

吉田
これが俳優たちの質を上げていますし、その質の高い俳優たちが質の高い舞台に出るので、お客さんにも感動してもらえる、という。いいサイクルだと思います。


1983年に横浜市あざみ野に建設され、2006年には新たに稽古場を増設した「四季芸術センター」。実際の舞台と同様の機構を持つ稽古場から、個人レッスン用の研究室、更に、音響スタジオ、食堂、トレーニングジム、医務室、マッサージルームなどを備えています。充実した設備を支えているのは、屋上に設置された大規模な太陽光発電システム。全ての稽古場は南向きに配置され、多くの外光を取り入れる設計など、省エネルギーにも配慮されています。こうした「持続性」を軸にした価値観は、劇団四季の経営を探る一つのキーワードにもなっています。


劇団四季が60年以上に渡り多くのファンを獲得し、ロングラン公演を実現する背景には、「持続性」を獲得する多くの方法論があります。その一つは、舞台を支える俳優の育成。収入が不安定とされてきた俳優を、劇団員として契約することで給与システムを明確化。舞台成果で安定的な収入を確保しながら、稽古に打ち込める環境を提供しています。また、質の高い作品を全国各地で上演することで収益を確保。芸術作品とビジネスの融合、そして、高品質・高レベルの舞台を継続的に提供しています。

内田
劇団四季は、専用劇場を今8つ持っているということで。それが全部ロングランをずっとやり続けているという、そういうことですよね?

吉田
はい。基本的には長期公演を中心としたプログラムですが、今度福岡の劇場を3年限定でお借りするのです、今年から。ですので、そのお借りしている期間は9つになりますね。

内田
9つの劇場を同時に運営していくということは、とてつもないことだと思うのですけれども、これはどういうノウハウがあるのですか?

吉田
ノウハウというか、第一に「お客様を信じる」ということでしょうか。大体こういう興業とは、特にパフォーミング・アーツは、東京中心なのですよ。これはマンパワーを非常に使いますよね。それから、集客のマーケットの大きさがあります。そうすると、東京にドンと腰を据えてやって、そしてそこに「いろんなところから来てください、これを観たかったら」というスキームの方が効率的には適っているのですね。ただ、浅利先生は「それはいかん」と。「各地各地に豊かな文化があるし、豊かなマーケットがあるのだから、興業をやる人間は、我々の方が出向いて行って、しっかりそこのお客様と手を取り合って仕事をすべきだ」と、ずっとおっしゃっていまして。

内田
ええ。

吉田
いろんなプロセスはあるのですけども、地域の皆さんと相談をしまして、何とか我々の作品を続けてご覧いただける様なスキームができないか、ということでご相談してきた結果が今のネットワークです。

内田
地域の協力があり、また説得をする。そういう要素があったということですね?

吉田
そうですね。

内田
お客さんの反応を見ながら、地方で劇場を持つということが成り立つのだろうか、ということを実験的にやっていったと思うのですよね。それが、今なおあり続けている。これも、多くの人が「それを続けるのはなかなか大変だろう」という風に思っていたが、実現できていると。

吉田
もちろんビジネスの論理もあります。ですから、収支が成り立たなければできないのですけども。ただ皆、劇団のメンバーのベーシックな部分、心の中にあるのは、その浅利さんの想いです。「文化の東京一局集中はいけない」と。そこがまずベースメントにあるので、苦しい仕事にも耐えられるわけですね。

内田
本当に様々な地域で劇場を運営していって、日本人のお客さんにより楽しんでもらおうという、いろんな努力も劇団四季としてはあると思うのです。ニューミュージカル、外国で評価されたものを持ってくる、だけれども、本当にそのニュアンスであるとか、そういうものが正しく伝わるかといったらすごく難しいところだと思うのですけど?

吉田
海外でできたものは、創られた地域の文化に根付いています。ですからそれをそのまま、直訳して日本語に直しても、やはり文化の差というのがありますから、完全にその創られた町で楽しめる様には楽しめない。日本人の特徴がありますからね。ですから、そこはローカライズしなければならない。この作業は我々ずっとやってきましたので、一定のノウハウはあります。例えば今、汐留の電通四季劇場で上映している『アラジン』という作品があります。これをニューヨークで私が観た時に、非常にコメディで面白かったのです。それで大笑いして帰るのですが、もし、これが日本でロングランになるのだったら、そこに劇場に来た人が感動する要素がなければまずいだろう、という風に思いました。それでディズニーから台本を取り寄せて研究をしましたところ、アニメーションの『アラジン』をご覧いただいた方はお分かりかと思いますが、実はアニメでは描かれていないのですが、舞台では「アラジン」にお母さんがいたという設定があるのです。それで、彼は貧しいので盗みをして食っているわけですけど、お母さんに「いい子であれ」と言われている思いがあるので、そんな自分はいつか変わらなければならない、という風に思っているのですね。一種の「母子もの」ですね。この、アラジンと亡きお母さんとの交流の部分は、やはり日本の公演では強調した方がいいだろうということで、日本版は台本に数行しか書かれていない要素を少し膨らませたのです。それが、アラジンがお母さんを恋しく思うナンバーに繋がる様になっているのです。

内田
ちょっとこう、じわっとくる?

吉田
じわっとくるのです。この要素を、ディズニーのスタッフの皆さんと「こういう風にしたい」ということを議論したのですけど。最初はなかなか「テンポが落ちる」とか、ご注文もありました。でも、粘り強くお話しさせていただいて、「この方がいいだろう」と。「では、稽古をやってみよう」、「稽古の中で考えていこう」という風におっしゃってくださって。それで実際、稽古を進めていったら「それがいいのではないか」ということになり、今のバージョンになっていますね。

内田
ディズニー側としては、非常に考えて完成させた作品ではないですか。それを「変える」ということは、抵抗があると思うのですけど?

吉田
ただ、大筋は変わっていないので。要は、最終的に行くゴールは一緒なのです。ディズニーさんと我々も。ですがアメリカの人たちが通る筋道と、日本の人たちが通る道筋、日本の人たちが分かりやすい道筋があるわけですね。こっちの道よりもこっちの方が日本人は通りやすいのだ、ということを説明するということでしょうか。

内田
この作品の本質が伝わる?

吉田
全く、「変える」というよりは、正に「ローカライズ」ですね。日本人に分かりやすく、ということです。

内田
やはりそれが一つポイントだったのでしょうね。輸入ミュージカルを劇団四季が提供して、皆が感動した、という要素としては。

吉田
やはりこれは「文化」ですから、上演される地域のお客様がしっかり理解できる形が一番理想的なのです。創られたものをそのままやる、ということではないのですね。


3月25日からスタートするミュージカル『オペラ座の怪人』。1988年の日本初演以来、総公演数6,700回以上、観客総動員数665万人を超える、劇団四季を代表するミュージカルの一つです。横浜初上演となる今回の舞台は、KAAT(カート)神奈川芸術劇場。開幕に向けて、オペラ座の怪人・ファントム役候補、佐野正幸さん、クリスティーヌ役候補の山本紗衣さんに意気込みを伺いました。

内田
「劇団四季」というのは、これからどんな姿になっていくのか?

吉田
いろいろ問題があると思います。四季の問題、というよりは、日本の国の問題かもしれないですが。我々の事業というのは、海外の優れたミュージカルを日本語に翻訳をして、主に日本人のお客様に観ていただいています。ということは、非常に内需型の産業なのですね。そうすると、皆さんもう散々おっしゃられていますけども、少子高齢化の問題に直面するわけです。単純に、このスキームだけで例えば2060年まで劇団四季を今の様にやれるかといったら、それは「No」だと思いますね。やはり、どこかで新しい事業に舵を切っていかなければならないとは思っています。その道筋は非常に困難なのですが、一つは、外国に作品を今度は輸出できる様になれないか、ということですね。自動車業界で言うと、我々のポジションはヤナセさんかもしれないですね。

内田
はい。

吉田
高級自動車を輸入してきて売る。でもやはり、生き残るためにはトヨタさんの様に、自動車という外国の文化が創ったものを、完全に日本の、自分のものにして、しかもそれを世界に通用するどころか、世界を席巻するパワーでもって売っていらっしゃる。やはりこの道をまずは目指していくということでしょうね。

内田
その中で、日本製の、日本初のミュージカルを輸出していく中で課題になることというのは、どういうものなのですか?

吉田
これは、お客様になる地域の文化、そこをやはりよく理解するということでしょうか。日本で優れたものを創ったからといって、それがそのまま、例えばアジアの国々で受け入れられるかは分からない。ただ、今は本当に頑張ってらっしゃるのですよ、日本の他のプロダクションさん。例えば「2.5次元ミュージカル」というのがありますでしょう?この「2.5次元ミュージカル」の元になったアニメーションや漫画は、非常にアジアでも知名度が高いのです。例えば『NARUTO』とかね。皆さん、知っているのです。ですから、そういうものを舞台にして既に事業展開されていらっしゃるプロダクションもあるので。ただ、我々が『NARUTO』をやるわけにはいかないので、我々の特徴に合う様な素材を見つけてきて、展開できる方法を探っていく、ということでしょうか。

内田
素晴らしいですね。

吉田
いえ、まだまだこれからです。まだ時間はあるので。人口分布図を見ていても、あと10年・20年くらいは多分、やれると思うので。その間に、今の仕事を充実させていく、ということでしょうか。

内田
お話を伺っていると、吉田社長の、演劇・ミュージカルに対する愛情といいますか、溢れているのが伝わってくるわけですけども。やはりその魅力、「劇団四季」というものの良さ、価値、というものを一言で言うと何ですか?

吉田
まだまだ、この演劇業界は発展途上だと思うのですよ。食わず嫌いのお客様も沢山いらっしゃると思うのですね。

内田
いっぱいいます。

吉田
特に、男性のお客様。やはり、劇場に来る方々の80パーセントが今でも女性なのです。

内田
8割ですか?

吉田
ですから、男性を是非劇場に呼びたいですし、我々もそのアピールをしていきたい。そういう意味では、発展途上ですね。

内田
伸びしろがある?

吉田
そうです。そこを意識しながらやっていきたいですね。

内田
男性を呼ぶためにはどうしたら良いのでしょうね?

吉田
そうですね、男性向けの演目をやる、というわけにもいきませんしね。本当にコツコツと「面白いよ」ということを言い続けるということかと思いますけども。やはり、自分が惚れた演劇を、同じ様に他の人にも惚れてもらいたいな、という気持ちはずっとありますね。そこだけかもしれない。



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4月3日の放送内容

激変する太陽光発電事業の今 求められる変化と今後の成長分野
神奈川経済の「今」を伝える情報番組。今週は再生可能エネルギー分野を特集。今月1日から施行された「改正FIT法」によって、大きな変化が訪れる太陽光発電事業。これまで業界が抱えてきた課題と、今後の成長分野とは。施工、販売を中心に20年近く事業を展開してきた「横浜環境デザイン」の池田真樹社長に聞く。また、ビジネスのヒゲでは自動車やオートバイのパーツをハンドメイドで製造する企業を紹介する。

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